
オートザムAZ-1
ホンダ・ビートやスズキ・カプチーノに並んで、オートザムAZ-1というもう1つの軽スポーツカーが存在する。ホイールベースはわずか2235mmで、「究極の日本製マイクロマシン」とも称された。前後ストラットサスペンションと全輪ディスクブレーキを採用し、バランスの取れたハンドリングを実現。横置き657ccエンジンから64psを後輪に伝達するが、車重はロータス・エリーゼ並みの720kgしかない。
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ガルウィングドアとフェラーリF40風のリアスポイラーが他の軽自動車と一線を画す特徴的な装備だ。AZ-1は1992年から3年間でわずか4400台しか生産されなかった。当時としては最も型破りな軽自動車であり、ミニフェラーリを思わせる外観と3気筒エンジンの快音が、ここに取り上げる理由だ。
シボレーSSR
シボレーSSRは世界初のトラックベースの2人乗りロードスターだ。レトロなボディの下には300psの5.3L V8エンジンが搭載され、2270kgの車体を静止状態から100km/hまでわずか7.6秒で加速させる。2分割式の電動格納ルーフは20秒で開閉でき、前席後方の専用収納スペースに収納される。
しかし、ラック&ピニオン式ステアリングのため、わずかな路面の凹凸でもステアリングコラムが揺れる。また、19インチ(前輪)と20インチ(後輪)のアルミホイールは、限界まで追い込むと顕著なアンダーステアを引き起こした。最速でもベストセラーでもなかった(生産はわずか4年で終了した)が、その存在感は他に類を見ないものだ。
ハマーH3
2003年にハマーH2が3万5259台売れた後、次期モデルH3の開発が始まった。こちらは2005年に発売され、2007年にはハマーブランドとして初めて英国市場への進出も果たした。優れた泥濘突破能力を持ち、ディフェンダーですら苦戦する過酷なオフロード地帯も攻略できた。英国では244psの3.7L 5気筒エンジンを搭載し、5速マニュアルまたは4速オートマティック・トランスミッションが選択可能だった。
しかし、2006年にはハマー史上最高の7万1524台を売り上げたものの、その直後に世界的な金融危機が発生し、GMは破産申請を余儀なくされた。付け足したようなクロームグリル、膨れ上がったボディ、派手なカラーリングは多くの人の好みには合わなかったかもしれない。だが、ハマーはそうした特徴を愛されてきたし、筆者も気に入っている。そして現在、GMCの新型EVシリーズとしてハマーブランドが復活したのも当然と言える。
スズキ・ジムニー
ある意味では、最新世代のジムニー(日本名:ジムニー・シエラ)でさえ推奨できる点は少ないように思える。100psの1.5Lエンジンは騒がしく平凡な性能しか発揮せず、ステアリングは曖昧で、特に風が強い時の高速道路走行はまったく楽しくなかった。
だが……その見た目は非常に魅力的で、どんな悪路でもほぼ走破できてしまう。英国では道が荒れている郊外の人々に愛されたが、嘆かわしいことに排出ガス規制により販売期間は3年未満にとどまった。
ランボルギーニLM002
LM002は多くの点で失敗作だ。ランボルギーニは米陸軍との有利な契約獲得を目指し、軍用車両として開発した。結局はハマーに敗れたが開発を継続し、クライスラー製V8エンジンを、カウンタックから流用したよりパワフルな5.2L V12エンジンに載せ換えた。
重量は3トン弱もあるが、それにもかかわらず0-100km/h加速は8秒をマーク。今日の高性能SUV(自社のウルスを含む)の先駆けとも言える存在だ。こっそり言わせてもらうが、筆者はLM002の見た目もなかなか気に入っている……。
いすゞ・ビークロス
1997年にビークロスが登場した当時、その魅力に気付く人は少なかった。黒いプラスチック製バンパーを備えた外観もあまり支持を得られなかった。だが皮肉なことに、いすゞの商用車としてのルーツがむしろプラスに働き、その点が筆者のお気に入りの理由となっている。オフロード性能は申し分なく、頑丈に作られ、3.2Lと3.5LのV6エンジンを搭載。後者は215psを発揮する。
全長4130mmとコンパクトな点も有利で、市街地でも扱いやすい。今では不当に忘れ去られているが、生産台数は5598台。そのうち74%が米国向けで、残りは日本国内で販売された。
メルセデス・ベンツG 63 6×6
全長5875mm、全高2.3m、重量約4トンという巨体ゆえ、公道走行の正当性を疑問視する声もあった。メルセデス・ベンツは2008年、オーストラリア軍向けにG 63 6×6を開発。その後市販化され、2013年に販売が開始された。
軍用車両としての出自から、ローレンジのギア比、5つのデフロック、37インチタイヤの空気圧を保持するタイヤインフレーション・システム、ポータルアクスルを備えている。540psの5.5LツインターボV8エンジンにより、0-100km/h加速は7秒を達成する。市販の6輪駆動車は稀少であり、芸術品と言えるだろう。この特異なマシンからは目が離せない。
スバルSVX
スバルが挑んだ2ドア高級クーペは困難な状況から始まった。SVX(日本名:アルシオーネSVX)の型破りな外観とガラス張りのキャノピーはデロリアンも手掛けたジョルジェット・ジウジアーロ氏によるもので、メルセデス・ベンツなどの競合車とは大きく異なっていた。さらに特注の24バルブ3.3L水平対向エンジンは240psを発生するが、疑問符のつく4速オートマティック・トランスミッションしか選択できず、性能は制限されてしまった。
6年間で2万5000台という販売台数は、スバルが目指した数字には程遠く、高価で、それほど速くもなく、魅力的でもなかった。それでもなお、筆者はこのクルマを賞賛せずにはいられない。
インフィニティQX70
QX70は性能重視のSUVで、BMW X6をターゲットに設定。3.7L V6と5.0L V8を用意した。そして、全車にパドルシフト付き7速オートマティック・トランスミッションと硬めのサスペンションが採用されている。
その長く伸びたボンネット、曲線的なヘッドライト、付け足したようなサイドグリルを好む者はほとんどいなかった。しかしX6のような競合車と並べると、むしろ個性的に見え、角度によっては高級感でも勝る。まるで独自のクラスに属すべきクルマのように思える。まさにその点が筆者の心を捉えたのだ。
ポルシェ914
1969年のフランクフルト・モーターショーで初公開された時、このクルマは果たしてフォルクスワーゲンなのかポルシェなのか、人々は判断に迷った。ポルシェ914はドイツの二大巨頭による共同開発だったからだ。フォルクスワーゲンはカルマンギアの後継車を、ポルシェは912の後継となる新型車を望んでおり、その回答が914であった。モノコックシャシーに、フォルクスワーゲン・タイプ4由来の80psの4気筒エンジンが搭載され、車重900kg、0-100km/h加速14秒という軽快な走りを実現した。
改良型914/6には、後に911T由来の2.0L水平対向6気筒エンジンが搭載されたが、高価格化により生産台数は4000台に満たなかった。フォルクスワーゲンかポルシェかという議論はさておき、914は歴史的名車の1つであり、情熱的に運転する喜びを与えてくれる。
デロリアンDMC-12
ガルウィングドアを備えたスーパーカーのような外観だが、その造りの粗さと鈍重な性能から、競合しようとした米国車やイタリア車に大きく水をあけられた。2.8L V6エンジンの最高出力はわずか130psで、トランスミッションは5速マニュアルか鈍い3速オートマティックのどちらかしかなかった。
その欠点を忘れさせてくれるのはデザイン要素だ。ブラッシュド仕上げのステンレス鋼ボディパネル、4灯式ヘッドライト、ボディに対しやや大きすぎるタイヤ。これらは他社のどのクルマとも一線を画すものだ。ロータスチューンのしなやかなシャシーと相まって、クールなカテゴリーに堂々と位置づけられる。
トヨタRAV4コンバーチブル
小型ながら実力派のRAV4は発売当初から人気だったが、トヨタはさらに一歩踏み込み、面白さを追求したコンバーチブルを投入する。2ドアのみの設定で、電動ルーフではなく手動式ルーフを採用。そのためオーナーはサイドのファスナーを外してビニール製リアウィンドウを取り外し、内部の2つのラッチを倒してからルーフを下ろす必要がある。
構造補強は施されているものの、コーナーではやや不安定な動きを見せた。ハードトップモデルに比べ販売は振るわず、残念ながら2年で生産終了となった。RAV4コンバーチブルの存在意義はなかなか理解されにくいが、短いホイールベースと太いタイヤが独特の走りの楽しさを生んでいた。
ラーダ・ニーヴァ
ロシアのラーダは、世界的にあまり評判が良くない。ソ連時代の製造品質を受け継ぎ、パワーステアリングのような現代的な装備とはほとんど無縁だった。ほとんどのラーダ車は見向きもされないが、ニーヴァだけは例外だ。
あの象徴的なシルエットとレトロなデザインがなければ、ニーヴァの魅力は失われてしまうだろう。高いサイドパネル、眉毛のようなウインカーを備えた円形ヘッドライト、大型の前後バンパーといった外観的特徴は、ライフサイクルを通じて変わっていない。筆者はただただ、このクルマを愛さずにはいられない。
ロールス・ロイス・カリナン
ロールス・ロイス初のSUVが発表された時、そのデザインは控えめにも万人受けするものとは言えなかった。あの有名なロールス・ロイスのスタイルをSUV化するのは容易なことではないが、結果がどうあれ批判は避けられなかっただろう。
だが、傾斜した未来的なリアはむしろ素晴らしく、長いノーズの先端に収まるクロームグリルは完璧だ。オフロード走行後に泥まみれになった姿には、奇妙な満足感さえ覚える。ただし、この写真のような適切なボディカラーとホイールの組み合わせが不可欠だ。
ポンティアック・アズテック
アズテックはポンティアックブランドを潰した元凶とよく言われる。確かにポンティアックを救う試みは失敗に終わったが、アズテックの登場以前から同ブランドは赤字続きで、採算が取れないまま廃業に追い込まれたのだ。洗練されたパワフルなマッスルカーを生み出したブランドとしては、このデザインは評価されにくい。それでもアズテックが筆者のお気に入りリストに載る理由は、実用性にある。
フロントシートの間にはクーラーボックス兼用のアームレストが設置され、トランクリッドはレンジローバーのように分割式だ。さらにポンティアックはアズテック向けに、オプションでテントやエアマットレスを展開した数少ないブランドでもある。
日産ジューク・ニスモ
発売当時、ジューク・ニスモはエッジの効いたデザインと力強いエンジンを携え、欧州のホットハッチ市場の中でも特に強烈な個性を放っていた。標準のニスモ仕様は200psだったが、RSの登場で214psに向上し、0-100km/h加速は7.0秒となった。マクファーソンストラット式フロントサスペンションとトーションビーム式リアアクスルには、より硬めのスプリングが採用され、ディスクブレーキは大型化し、ボディ剛性も高められている。
ニスモRSは、フォード・フィエスタSTやミニ・クーパーSなどの競合車に比べて車高が高いためコーナリングには苦労し、あまり好まれない結果となった。しかし、ニスモ専用のボディワークとスプリッターにより、素晴らしい外観に仕上がっている。
プリムス・プロウラー
プロウラーのレトロな外観は好みが分かれるものだが、主な批判は、214psとやや非力な3.5L V6エンジンと、反応の鈍い4速オートマティック・トランスミッションに向けられていた。
しかし、筆者はこのホットロッドには大賛成だ。4隅に大きなクロームホイールが装着され、アルミ製のボディとシャシーにより、重量はわずか1270kgに抑えられている。
BMW 5シリーズGT
BMWは、5シリーズGTを通常の5シリーズと5シリーズ・ツーリングの間に位置づけようとした。フロントは依然としてアグレッシブだが、ハッチバックのリアは多くの人から不格好だと評された。GTは7シリーズのプラットフォームを採用しており、同時代のランドローバー・ディスカバリーよりも全長が長く、標準の5シリーズより300kg重い。
それでも筆者にとっての最大の美点は、アルミ製スイッチギアと高級ウッドをふんだんに使った豪華なインテリアだ。特にホワイトレザーシートとエグゼクティブスタイルの2座リアシートを装備したモデルは際立っている。
アルファ・ロメオ4C
2013年に4Cが登場した時、ロータスに真のライバルが現れたかに見えた。しかし残念ながら、4Cはサーキット以外の路面では期待外れだった。ステアリングは路面の小さな凹凸で跳ねるように反応し、車載技術も価格に見合う革新性はなかった。
しかし、彫りの深いボディラインやスーパーカーを思わせるワイドなスタンス、ターボの唸りが車内に響き渡る様は、どうしても愛おしく思えてしまう。スパイダーモデルでは、リアトランクリッドの通気口、ダックテールスポイラー、クモのようなLEDフロントライトがエキゾチックな雰囲気を醸し出している。
クライスラーPTクルーザー
PTクルーザーは、2013年には「過去20年間で最悪のクルマ」アワードを受賞してしまった。安全評価の低さ、奇抜なデザイン、そして非力な2.4Lエンジンが理由だ。しかし筆者は、フォルクスワーゲン・ビートルやミニが存在する世界で、1930年代のホットロッドを彷彿させるノーズや膨らんだフロントフェンダー、クロームホイール、なだらかなルーフライン、平らなトランクリッドといったレトロなデザイン要素は唯一無二のものだと考えている。だからこそ、いつまでもこのクルマに特別な思いを抱き続けているのだ。
日産フィガロ
フィガロは1991年に登場したが、錆に弱いという欠点があった。レトロなスタイリングは人を選び、ルーフは雨漏りし、3速トランスミッションは操作感が悪い。こうした問題はあるものの、フィガロは日産車の中でも最も奇妙で素晴らしい1台として、筆者のお気に入りリストに名を連ねている。
その理由は、1930年代を彷彿とさせる多彩なカラーバリエーションだけでなく、ヘッドライト上部に配置されたクロームのアイリッド、縦に並んだリアランプ、そしてさまざまな趣向を凝らしたスイッチ類(1930年代のランプシェードを模したサイドウインドウスイッチを含む)などを備えた芸術的なインテリアにある。実に素晴らしい。その一言に尽きる。
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