
プリムス・ヴァリアント(1962年)
「1962年、ヴァリアントのコストパフォーマンスに敵うクルマはない! 発売当初から変わらず、コンパクトカーの王者だ」と当時の販売資料には謳われていた。プリムス・ヴァリアントの全長は183.7インチ(約4665mm)、全幅は70.4インチ(約1788mm)。フォルクスワーゲン・ビートルより全長で20インチ(500mm)以上、全幅で3インチ(75mm)以上大きいが、1960年代初頭の米国自動車基準では依然コンパクトだった。
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ヴァリアントは売れ行きが良く、初代モデル(1960年から1962年)は50万台が販売された。この個体は1962年式で、同年に買い手を見つけた14万5353台のうちの1台だ。
プリムス・フューリー(1968年)
アリゾナ州サッチャーの年間降水量は約250mmで、全米平均の965mmを大きく下回る。これが、バレー・オート・レッキングのジャンクヤードで錆が少ない理由だ。この1968年式プリムス・フューリーIIIには錆がほとんど見られず、ここに来るにはあまりにも状態が良すぎるように思える。
ナッシュ・メトロポリタン(1954年)
この1954年式ナッシュ・メトロポリタン・クーペの修復には多額の費用がかかるが、レストアが不可能というわけではない。1953年から1961年にかけて生産されたこの愛らしいコンパクトカーは決して大ヒットにはならなかったが、驚くほど高い現存率を示している。米国のジャンクヤードには必ずと言っていいほど、1台は引き取り待ちの状態で置かれている。
フォード・ステップバン
1950年代初頭のフォードF3ステップバンは、同時代のライバル車であるインターナショナルほど熱心なファンがいないようだ。つまり、まだ多くの車両がジャンクヤードで放置され、救出を待っている状態である。この錆のない個体も、修復されてコーヒーやハンバーガーの移動販売車に改造されるのを待ち望んでいる。もちろん、新しいエンジンを調達する必要はあるが。
ポンティアック・ルマン(1968年)
1968年式ポンティアック・ルマンは走行性能に優れていたが、この個体は4本のリムの上に載せても完璧な安定性を誇っている……。
このハードトップのボンネットの下には何が積まれていたのだろうか。エントリーレベルのエンジンは4.1L直列6気筒だった。175psを発生し、0-97km/h加速は10.4秒だった。ただし、320psの5.8L V8エンジンなら、このタイムを3秒短縮できた。
フォード・ギャラクシー(1965年)
この個体の粉砕されたフロントガラスには、一度ならず二度も「1975年式フォード」とメモ書きされている。実際にはそれより10年も前の製造だ。
これは1965年式フォード・ギャラクシーである。角張った新デザインと縦に並んだヘッドライトが特徴だった。同年、新型の3.9L直列6気筒エンジンも初登場した。性能を極めたのが7.0L V8で、425psを発生。1/4マイルを14.2秒で駆け抜けた。
フォード・ランチェロ
このフォード・ランチェロの側面に「1973」とメモ書きしてくれた人に感謝したい。おかげで筆者の確認作業が少し楽になった。とはいえ、前述のギャラクシーの例で見られるように、バレー・オート・レッキングの識別情報は必ずしも正確とは限らない。
フォード・オブ・オーストラリアは1934年に初のクーペユーティリティ車を生産したが、この概念が米国に持ち込まれるまでにはさらに23年を要した。ランチェロが先駆けとなったものの、市場独占はわずか2年で終わり、1959年にはシボレー・エルカミーノが登場した。
バス
まるでバスターミナルのような光景だ。どれに乗ろうか? カメラに近い個体は1970年代の高校へ向かおうとしている。その隣は教会行きだ。
米国のジャンクヤードではバスをよく見かける。通常はスペアパーツの保管庫として使われており、バレー・オート・レッキングでもまさにそうだった。
フォード・サンダーバード(1965年)
スポーツカーではなくパーソナルラグジュアリーカーとして売り出されたものの、2人乗りの初代フォード・サンダーバードは確かにスポーティな見た目だった。しかし、デザインはすぐに変わり、4代目(1964~1966年)が登場する頃にはスポーティな特徴はほとんど残っていなかった。
大きくて重く、カーブではふらつき、0-97m/h加速に11秒近くかかった。とはいえ、一般の自動車購入者には十分な魅力があり、この1965年モデルは約7万5000台が売れた。
フォード・サンダーバード(1968年)
5代目サンダーバード(1967~1971年)はさらに大型化し、フォードは「パーソナルラグジュアリーカー」の「ラグジュアリー」の部分を強調するようになった。最大の変更点は、当時急速に人気を失っていたコンバーチブルの廃止だ。代わりに登場したのが、写真のような4ドアモデルである。サンダーバードが次第に類似性を深めつつあったリンカーンと同様に、観音開きドアを採用している。
著者について
英国の自動車ジャーナリスト、ウィル・シャイアーズ(Will Shiers)は過去35年にわたり、廃車となった米国の自動車を撮影し続けている。50州すべてを旅して、納屋、野原、砂漠、ゴーストタウン、ジャンクヤードなどを探検し、隠された宝物を探している。自動車雑誌への寄稿も多い。
これまでの作品を集めた写真集『Roadside Relics-America’s Abandoned Automobiles』の著者でもある。
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