イギリスウェールズ北西部の街バンガーに住むシャノン・ロックさん(21歳)は、17歳のとき酷い発作に襲われて、重度てんかんがあると診断された。

 酷いときには1日に20回もてんかん発作に見舞われたこともあり、大学を辞めて、自宅療養生活を余儀なくされた。

 療養中シャノンさんは心の友を得ようとラブラドールの子犬を飼うことにした。ポッピーと名付けかわいがっていたところ、奇跡的な出来事が起きる。

 なんとホッピーは、発作が起きる直前にシャノンさんのそばに座って顔を見つめ、心配そうにうろちょろしはじめるという。

 それも毎回だ。ポッピーはシャノンさんの発作が事前にわかるようなのである。

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極度のてんかん発作に悩む女性、犬を飼うことに

 シャノンさんの発作はそれはひどいものだった。

大学は諦めざるを得ませんでした。私が発作を起こすと恥ずかしいからって、友達もずいぶん減りました。講義の途中で病院に運ばれたりね。何もかも滅茶苦茶だったから、ひどく落ち込んで抗鬱剤が必要になりました。本当に辛かったです

 結局、脳手術などの集中治療を受け、人工呼吸器が手放せなくなった。「いろいろ夢もありましたけど、私の人生はまさにお預けって感じでした」とシャノンさん。

 1人で生活できなくなり、母親と暮らすことにした。これまでなら簡単にできたちょっとした作業でさえままならない。

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 通りを歩いているとき何か鋭い物体が見えると思うと、発作で倒れていた。発作が起きればどこにいても倒れてしまう。恐ろしい体験だ。

 「発作を管理するために、ストレスになることは避けたり、深呼吸の練習をしたりしました。気持ち的にはキツかったですよ」

 数ヶ月後、彼女は遠くで仕事をしていたボーイフレンドと暮らすことにした。犬を飼おうと思ったのはこのときだ。シャノンさんの家族は犬好きで、昔から身近に犬がいたそうだ。

 大抵はジャッ・ラッセル・テリアだったため、今回はラブラドールの子犬を選び、ポッピーと名付けた。

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教えたわけでもないのに、発作を事前に察知する犬

 子犬はシャノンさんとの生活にすぐ慣れたが、数週間もすると奇妙な行動が見られるようになった。それは決まって彼女に発作が起きる前のことだった。

まず、座って私を見つめるんです。ハァハァ言いながら、ウロウロ歩くときもあります。その意味が掴めず、どこか悪いんじゃないかと思って獣医にまで連れて行きました。

ところが、ある日、発作が起きそうだなぁと思っていたら、この子がハァハァ言いながら、ウロウロし始めたんです

 ポッピーがこんな具合だったから、シャノンさんは専門家のアドバイスを求めることにした。犬の訓練の第一人者であるニール・パウエルさんだ。

 彼は、地震などの災害時に活躍する、特に山岳地帯での作業に特化した救助犬の訓練で有名な人物だ。また、イギリスの火災レスキューサービスの一員として、要請があれば世界中どこでも駆けつける。30年のキャリアの中で、トルコアルジェリア、カシミールなどの災害救助に参加してきた。

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訓練をしたところ、発作の前に事前に警告してくれるように

 「動物の行動に精通した人ですから、私とポッピーの次のステップを指し示してくれました」

 それから、パウエルさんの手によって、ポッピーはてんかん発作の気配を感じるとシャノンさんの足に触れるよう訓練された。これが彼女の人生を大きく好転させることになる。

ポッピーのおかげで、私は人生をやり直せるようになりました。ポッピーがいれば自立した生活を送れ、外に出かけることもできます。

発作が起きる40分前に警告してくれることもあります。これだけ時間があれば、安全な場所に行くには十分です

 適切な薬物治療とポッピーの介添えのおかげで、彼女の体調はかなり安定している。自信も取り戻すことができ、将来について楽観的になることができた。外出も怖くなくなったという。

犬は大好きな飼い主の健康状態を察知できる

 犬を同伴するというシャノンさんの決断は、貴重なケーススタディとして、大勢のてんかん患者を救う可能性がある。

 元科学の教師でもあったパウエルさんは、現在ベルファスト、クイーンズ大学で自分の専門知識を活かした画期的な研究を行っている。シャノンさんのケースのように、犬を使っててんかん発作を患者に前もって知らせようというのだ。

 これまでの研究で、てんかん発作以外にも糖尿病患者の高血糖や低血糖など、犬は飼い主の特定の健康状態を察知できることが明らかとなっている。

 そうした場合、飼い主に足を乗せたり、見つめたり、歩き回ったり、あるいは家具の後ろに隠れるといった行動を見せるのだそうだ。

 「犬は何か要求するとき以外は、普通飼い主を見つめたりはしません。それが犬のコミュニケーション方法で、私の家の7匹の子は餌が欲しいときに私を見つめます。また、ハァハァ言ったり、ウロウロするのは通常はストレスや心配のサインです」とパウエルさん。

 パルエルさんは研究のためにより多くのボランティアを必要としており、シャノンさんも犬を飼っているてんかん患者の参加を呼びかけている。

 一流ドッグトレーナーの研究とシャノンさんとポッピーとの共同生活が組み合わさることで、多くのてんかん患者に希望の光を灯すことができるかもしれない。

via:arbroath[http://arbroath.blogspot.jp/2015/08/dog-warns-her-owner-when-shes-about-to.html] / written by hiroching

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