
コンパクトなボディに広々空間
シトロエンは、6人乗りの新型コンセプトカー『ELO』を公開した。コンパクトでありながら、驚くほど広い空間と高い柔軟性の実現を目指している。
【画像】革新的な小型ミニバン登場! 明るく開放的なキャビン【シトロエンELOコンセプトを詳しく見る】 全20枚
ELOという名称は、休息(rEst)、遊び(pLay)、仕事(wOrk)の2文字目をとったもの。全長4.1mと、シトロエンの現行『C3』よりも短いが、最大6人が乗車可能だ。さらに後部座席の広さはSUVの『C5エアクロス』と同等とされる。
シトロエンのグザビエ・シャルドンCEOは、自動車デザインの既成概念に挑戦していく同社の姿勢を表していると述べた。
シャルドン氏は「SUVの登場でMPVは廃れると思われていました」とし、SUVは一般的に「クールで新鮮、若々しい」と認識されていると付け加えた。
今回のELOコンセプトは、SUVやクロスオーバーに代わる選択肢として、よりコンパクトでありながら同等の実用性と広々とした車内空間を実現することを目指したものだという。
「シトロエンと共に生きる喜びを体現した完璧なマニフェストです」
新しいライフスタイルを提案
チーフデザイナーのピエール・ルクレール氏は、伝説的な国民車『2CV』の足跡を辿り、斬新なインテリアコンセプトで「驚くべきライフスタイルを創造する」と語った。
「あらゆる調査から、人々はクルマを第三の生活空間として求めていることがわかっています。自由と同時にプライバシーを望んでいるのです」
「このプロジェクトの目的は、非常に小さなプラットフォームで車内空間を革新するという極めて単純なものでした」
その革新的な要素の1つが、中央に運転席を備えた3×3の斬新なレイアウトだ。
ルクレール氏は、これが都市部での運転に理にかなった形式だと説明した。「中央に座れば、外の視界が良くなります。長距離移動でも利点があり、子供たちは出かける時、ママやパパの隣でドライブしたがるものです」
運転席では、フレーム内部にフォームブロックを配置した独自のサスペンションを備え、外出先で作業できるようにデスクアタッチメントも付属している。一方、助手席は不要時に収納することができる。
フランスのスポーツ用品会社デカトロンが開発に協力し、ELOの後部座席はポップアウト式のキャンプ用家具に着想を得たものとなっている。シート自体は固定されているが、ベース部分は取り外し可能で、折りたたみ式の脚を備えているため車外でも使用できる。
背もたれをフラットに折りたたむと、天井から吊り下げたシングルマットレス2枚を載せる床面になる。このマットレスを支えるフックは、映画鑑賞用のプロジェクタースクリーンを取り付ける際にも使用できる。
フロア側面には電源ソケットと空気ポンプが備わり、スライドドアを開けた状態でも利用可能だ。また、ドアに日除けのオーニングを取り付けることもできる。車両を「ベースキャンプ」として活用することを想定しているのだ。
ブランドのあるべき姿とは
フロントとリアのランニングライトの突出部には、格子状の滑り止め加工が施されており、食事用の皿を載せるトレイになる。
ダッシュボード上部にも同様のテクスチャーが施されており、スマートフォンを運転席の横に置くことができる。
シトロエンは、従来型の「ダッシュボード」は存在しないと主張している。運転席は包み込まれるように独立した空間を形成しており、助手席はやや後方にオフセット配置される。
物理ボタンは最小限に抑えられている。始動スイッチとハザードランプスイッチはステアリングコラムに配置され、その他の機能はステアリングホイール上のビデオゲーム風のジョイスティック2本で操作する。
シトロエンによれば、自然光をたっぷり取り込むことを優先したため、バブル状のフロントスクリーンと低いショルダーラインが形成されたという。
シトロエンは、ELOコンセプトの量産化についてはコメントを控えた。親会社ステランティスのEV用プラットフォームが、こうした6人乗りレイアウトに対応しているかどうかはまだ明らかにされていない。
しかし、ELOコンセプトは、2022年公開の『OLI』コンセプトで見られた革新的な発想をさらに発展させたものであり、シトロエンの兄弟ブランドに大きな影響を与える可能性がある。例えば、フィアットは1998年のムルティプラで3列×3席のシートレイアウトを採用しており、ELOの量産化が可能になれば、ムルティプラも復活するかもしれない。
シャルドン氏は、ELOコンセプトが「シトロエンのあるべき姿」を表現していると述べた。同氏は以前、AUTOCARに対し、シトロエンブランドのポジショニングやアイデンティティに混乱があることを認めている。ELOはこうした疑問に答える意図があるようだ。
「ELOコンセプトは、100年以上続くブランドのDNAであり、創造性、大胆さ、親しみやすさ、責任感、独創性、そしてウェルビーイングへの貢献といった要素をすべて満たしています」とシャルドン氏は語った。
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