12月16日、BTOパソコンメーカーのサイコムは、同日17時より全製品の新規受注を一時停止した。同社によると、現在想定を大きく上回る注文が寄せられており、顧客への対応品質を維持するために一時的な受注制限の措置を講じたという。

今回の停止措置はあくまで新規の受注手続きに関するものであり、製品の製造およびユーザーサポート業務については通常通り継続されている。受注の再開については、現時点では12月19日15時頃を予定しており、変更が生じた場合は改めて案内される見通しだ。

サイコム公式Xでの発表によれば、今回の判断は製造上の理由によるものではなく、急増する注文や一件ごとの見積もり依頼に対して、従来通りの丁寧な対応を行う体制を確保するためであるとしている。すでに確定済みの注文や支払いを待っている段階の案件には影響はないとのことだ。

また、受注再開時にはオリジナルビデオカード類のみ軽微な値上げが実施される見込みだ。

また、納期は伸長傾向にあるものの、在庫が確保されている部材で受注を受けているため、提示された納期通りに納品されるという。なお、既に見積もりを作成済みで購入を希望する顧客に対しては、問い合わせ窓口へ個別に連絡するよう案内している。

こうした注文集中の背景には、PCパーツ市場全体を取り巻く環境の変化が強く影響しているとみられる。昨今のPC業界では、生成AIの普及に伴う半導体需要の拡大や生産調整により、メモリやストレージの価格が高騰傾向にある。

これにくわえ、12月4日には米Micron Technologyが消費者向けメモリ・ストレージブランド「Crucial」の事業から撤退する方針であると報じられ、市場に大きな波紋を広げた。

さらに、同じくBTOパソコンメーカーのマウスコンピューターも、想定を超える受注増加により一部製品の販売停止や2026年1月以降の価格改定を発表している。これらの要因が重なり、将来的な供給不足やさらなる価格上昇に対するユーザーの不安が、今回のサイコムを含むBTOメーカーへの駆け込み需要を加速させているようだ。

BTOパソコン「サイコム」公式サイトはこちら