中国の大手ポータルサイト「新浪網」によると、中国が戦闘機エンジン「WS-13(渦扇-13)」の開発に力を入れている。パキスタンに輸出した「JF-17(サンダー)」に搭載するためだ。ただし、「無理だ」との見方を示すロシア人専門家もいるという。

 JF-17(サンダー)の中国側の名称は「FC-1(梟龍)」だ。中国とパキスタンの共同開発との形だが、実質的には「中国の戦闘機」と見なされている。中パ両国で製造されているが、中国軍は運用していない。

 パキスタン空軍が最も多く保有する戦闘機中国製のF-7P(J-7)だが、生産開始は1967年だ。しかも、中ソ対立という背景のもとで開発されただけに、当時の世界的水準にも達していない。

 パキスタン戦闘機の更新を進めており、将来的にはJF-17が主力戦闘機になる見込みだ。

 同機が搭載しているエンジンロシア製の「RD-93」だ。そして、中国、ロシアインドパキスタンは極めて複雑な関係だ。中国とロシアは「とりあえずは」友好的。インドパキスタンは厳しく対立。中国はインドとの関係改善を進めてきたが、潜在的には対立関係。インドは西側に接近したが、かつてはソ連の友好国だった。現在のロシアとも関係は悪くない。

 中国としては、軍事面でパキスタンにできる限りの「肩入れ」をして、同時に利益も上げたいが、ロシアが「インドに恩を売る」などと決断すれば、パキスタンは「主力戦闘機エンジンであるRD-93を入手できない」ことにもなりかねない。中国が「WS-13」の開発に力を入れているのは、そのためだ。

 パキスタン軍高官も「RD-93に代替できるエンジンがあれば、ただちに考慮する」と発言したという。

 一方で、ロシアエンジン修理技術などでパキスタンに協力する意向を示している。ソ連時代と異なり、ロシアの軍需産業は「自ら稼がないと、新製品の開発ができない」状況だ。ロシアとしても得意先を失いたくないとの本音がある。新浪網は、ロシア人専門家が「中国製エンジンをJF-17に搭載するのは無理」と発言と紹介したが、強気発言の奥底に「希望」が潜む可能性も否定できない。

 新浪網は、パキスタン軍高官の発言を根拠に「ロシアパキスタン市場を奪おうとしても、到底できないことだ」と主張。これまでの中パの緊密な関係が念頭にあると考えてよい。

 記事はただし、JF-17を手放しで称賛することはしなかった。これまでに中国が輸出した最も先進的な戦闘機だが「パキスタン空軍以外に、第2の買い手は現れていない」と指摘。

 さらに、JF-17には「電子装置と武器はかなり先進的で、価格も十分に安い」と言えるが、米国が放出を決めた中古の「F-16」に勝てる戦闘機とは言えないとの見方を示した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO。2015年のパリ航空ショーで披露されたJF-17)