妻と浮気した男の男性器を切り落とすという、“チン切り事件”の裁判が、異例の展開を迎えている。

 弁護士の男性(42)の局部をはさみで切り落とし重傷を負わせたとして、傷害と銃刀法違反の罪に問われた元プロボクサーで元慶応大法科大学院生、小番(こつがい)一騎被告(25)の第2回公判が26日、東京地裁で行われ、昼ドラも真っ青の泥沼愛憎劇が暴露されたのだ。

 検察側が行った冒頭陳述の中身は衝撃だった。

「検察側は、事件の遠因となったのは小番被告の妻と被害者の男性との不倫にあったと主張しました。その立証のため、冒頭陳述でその交際の内容を詳細に明らかにしたのですが、その内容があまりに赤裸々だったのです」(大手紙司法担当記者)

 冒頭陳述によると、小番被告の妻と男性は、昨年12月29日に最初の関係を持った。しかも、その密会場所は2人が勤務する弁護士事務所の中。「法曹」という仕事から受けるお堅い印象とは裏腹のオフィスラブを楽しんだというのだ。

高尾山ラブホ体操着ブルマを貸し出してプレー

 さらに今年1月16日には品川区内のステーキ店で食事をした後、カラオケ店に移動。そこでは小番被告の妻がセーラー服のコスプレ姿を披露し、その後、ラブホテルへとしけこんだ。今年7月2日高尾山に出かけた後にはやはりラブホにイン。有料の体操着ブルマのコスプレ衣装を貸し出しまでしている。

 互いに背徳の恋を楽しんでいるようだったが、突如関係が破綻したのは高尾山デートから一月もたたない7月27日のことだった。

「2人は漫画喫茶でアニメDVDを鑑賞しています。そこで男性が小番被告の妻をあだ名で呼び、キスをしようとしたところ、妻が『やめましょう』と拒絶したようです。その後、徐々に距離が出来始めた。そして8月初旬には妻が小番被告に『セクハラを受けている』と相談したところから、関係が露呈したようです」(同)

 冒頭陳述では、被害者の男性と小番被告の妻が、アニメの話題で盛り上がったり、漫画本の貸し借りをしたりするなど、独特の関係性も浮かび上がる。

 それにしても、社会的信用を重んじる弁護士という仕事に就く男性が、検察を通じて、これほど詳細に秘め事を明かすとは驚きだ。

 しかも男性には「4人の子供と妻がいる」(社会部記者)といい、不倫関係が表沙汰になれば家庭への影響も避けられない。それでも思い切った暴露戦術に出た狙いは何なのか。

「小番被告が局部切断という凶行に至ったのは、『妻が弁護士の男性に性交渉を強要された』と思い込んだからです。弁護側は『妻を思うあまり義憤にかられてやった』と情状酌量を求めてくるはず。そうはさせたくないというのが検察側の狙いです。小番被告の思い込みによる暴走だったということを明らかににするためには、不倫関係の詳細に言及するしかなかったというのが実情でしょう」(法曹関係者)

 小番被告に殴られて気絶した間にイチモツを切断された男性。意識を取り戻した直後は「ここはどこ」と茫然自失の状態だったという。大事なモノを失った恨みを晴らすため、司法の場で、自爆覚悟の対決に臨んだということか。

浅間三蔵1978年神奈川県生まれ。大学卒業後、大手新聞社に入社。社会部記者として警視庁や司法関連を担当する。震災を契機に独立し、現在はフリージャーナリストとして週刊誌などで活躍中
被害者男性が働いていた職場でオフィスラブ