いまや国民の5人に1人がユーザーといわれる、ネット交流サイトの「フェイスブック」。情報を共有し合う上で大変便利なツールとなっているが、その利用がストレスとなっている場合もあるようだ。

11月30日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)で紹介された記事によると、デンマークの幸福度研究所が約1000人を2つに分け、一方にフェイスブックの利用を禁止した結果、そのグループの生活満足度がアップしたというものだ。(文:みゆくらけん)

自分からストレスを抱え込む神経が分からない

この結果について研究所は、多くの人は他人の「リア充投稿」をうらやむ傾向にあるとし、「自分に何が必要かよりも、他人が何を持っているかを気にするようになってしまう」と結論づけている。

マツコ・デラックスフェイスブックについて、他人からどんなものかは聞いているものの、実際に見たことは一度もないという。それでもSNSによって発生する「ストレス」に見当がつくようで、こんな持論を展開した。

「ストレスっていうのはさあ、ほぼ対人関係なわけじゃない? だからアタシは極力対人関係を作りたくないのよ。数が多ければ多いほど、そこにストレスは発生するわけじゃない」

確かにマツコの言うように、人が抱えるストレスの上位の原因は対人関係であることが多い。知人・友人が増える分だけ、その対人関係の中でストレスが生まれるリスクがある。「だから最低限の人数でアタシは生きていたいの。友人も仕事仲間も含めて」と言うマツコ

「だから(SNSは)無作為に(対人関係が)広がっていくわけじゃん? アタシはその神経が逆に分からないんだよね。なんでそんなストレスを自分から抱え込むんだろうって、ずっと思ってるから」

「そんなに自慢するほどの人生を歩んでる人、いる?」

ではここで、マツコが疑問に感じている「その神経」について考えてみたい。人はなぜ、対人関係によるストレスというリスクを背負ってまで「仲間」を増やすことに躍起になるのだろうか。

純粋に友人を増やすことで視野を広げたい、ビジネスに生かしたいといった場合ももちろん考えられるが、自分の日常生活の様子を投稿し、それを見た他者からの「いいね!」が得られることが快感でハマっている、という人もいるのではないだろうか。

人間というのは「他人から認められたい」欲求が強い。いわゆる自己承認欲求というやつだ。「私はこんなに幸せです」「俺ってイカしてない?」とアピールし、「うらやましい」「スゴイ」と反応されたい。

SNSというのは誰もが手軽に主人公になれる表舞台で、「いいね!」を押した人らは観客だ。自己顕示欲が強い人にとって、観客が増えてゆくことは大変気持ちの良いものではないだろうか――。しかしマツコは言う。

「そんなに自慢するほどの人生を歩んでる人、いる?」

ふかわりょう「不安の裏返しかもしれないですね」

これに対し、司会のふかわりょうが「いいね!」を欲する人について、「不安の裏返しかもしれないですね」とチクリ。本質を突いた言葉だと思う。

ともあれ、もうそろそろ「自己顕示欲垂れ流し」がどれほど恥ずかしいことなのか、気づいてきた人も多いはず。今回の実験結果から見えてきたものは、自分が満足できる生活に注力することの重要さだ。他人に承認されなくても自分が幸せなら、それが本当のリア充である、ということかもしれない。

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