宮城県議会は10日、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷や偽情報の防止に向けた条例の骨子案をまとめた。同県は被害者からの申し出に基づき、知事がSNSなどの事業者に対し不適切投稿の削除を要請できる仕組みを盛り込んだ。

知事による削除要請を盛り込んだのは、2025年10月の宮城県知事選挙で、SNSでの誹謗中傷やデマが拡散されたことを受けてのことだ。人種や性的指向など差別を助長する言動なども人権侵害情報と規定している。

情プラ法施行1年 SNSの誹謗中傷、プライバシー侵害対策はどこまで進んだのか Xはインスタの約3倍

インターネットの発展に伴い、誹謗中傷の書き込みも増えている。地方の自治体でも、さまざまな対策が取られている。

兵庫県は宮城県とほぼ同じで、事業者が被害者の要請に応じない場合は、知事が削除要請できる。

鳥取県は、SNS事業者やプラットフォーム事業者に削除要請ができるほか、発信者が要請に応じない場合は知事が削除命令を出せる。命令に従わない場合は発信者の氏名やアカウント名を公表し、5万円以下の罰金(過料)を科す。罰金が導入されたのは全国初だ。

情報開示請求の手続き一度に簡易化

政府は、情報開示請求の簡素化、情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)の施行などを実施している。

情報開示請求は、以前まではSNS事業者にIPアドレスの開示、プロバイダに氏名と住所の開示の2回別々に裁判が必要だった。2021年に「新たな裁判手続き」が創設され、発信者の情報開示を一度の手続きで可能となった。併せて、開示されるまでの間、必要とされる通信記録の保全のため提供命令と消去禁止命令も設けられた。

情プラ法は、インターネット上の誹謗中傷や権利侵害情報への対応を強化し、被害者救済を迅速化する法律だ。被害者本人から投稿の削除要請があった場合、事業者は7日以内に削除するかどうかを判断し、結果を申請者に通知しなければならない。

相談窓口として総務省の「違法・有害情報相談センター」や法務省の「人権相談」などもある。

インターネット上では、匿名性が高く自由に発言できるところが面白いところだ。議論の過熱や炎上しているアカウントを見ることも多いだろう。だからといって、人格などを攻撃していいわけではない。限度を超えた物言いには、罰金が適用されるのはネット上でも同じだ。節度を持って楽しみたい。

文/並河悟志 内外タイムス編集部

宮城県議会庁舎