若手社会人のみなさま、自分の給料明細をきちんと見たことはありますか? 給与明細に書かれた社会保険料や労働組合費など、いくら引かれているのか把握していますか? 毎月の給与明細では、特にありがたみを感じず、細かくチェックしないで保管してしまう方が多いかもしれません。

しかし、ようやく冬のボーナス支給時期がやってきました。新入社員にとっては初めて貰うボーナスかもしれませんね。普段は気にしない給与明細ですが、ありがたみが大きいボーナス支給を機に、きちんと見てみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。そこで今回は、若手社会人から知っておきたい、給与明細の見方を解説します。
■給与明細のチェックすべきポイント

チェックすべきポイントは2つ、『残業代』と『控除額』です。お手元に、お勤めの会社の就業規則と賃金規定を用意しながら読み進めていただくと分かりやすいかもしれません。この2つは入社時に受け取ることが多いですが、どこにあるのか分からないという人は、会社のイントラネットなどを確認してみてください。

給与明細に書かれた残業代、本当に合っていますか? お勤めの会社が裁量労働制(基本給の中に残業代が含まれるみなし残業など)や年棒制などでない限り、残業時間数や時間帯によって残業代が支払われます。労働時間が1日8時間を超えると、超過分は25%アップされ、22時以降に働いた場合は更に25%アップし合計50%アップになります。「会社側が意図的に残業代を減らしている」「計算ミスで正しい金額ではない」という2つの可能性があるので、支払われた残業代は本当に合っているのか、きちんと確認をするべきです。また、給与明細に書かれた残業時間が実残業時間より少ないこともあります。自分は何時間残業したのか、きちんとメモに残しておくとよいでしょう。

それでは早速、残業代の計算をしていきます。方法は以下の通りです。

ステップ1:時給を算出しよう
月給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間 = 時給
※月給:通勤手当や住宅手当など、非課税の支給額を除きます。
※1ヶ月の平均所定労働時間:就業規則に記載されているはずです。

ステップ2:ステップ1で算出した時給を使って残業代を計算しよう
( 時給 × 残業時間 ) × 割増率 = 残業代
※割増率:22時までの通常残業であれば×1.25、深夜残業は×1.5
■あなたの残業代、正しく支払われていますか?

給与明細を見る度に「なんでこんなに保険料が引かれるのだろう」と不満を持つ人は多いはず。しかし、ここでチェックすべきポイントは「支払うべき社会保険料より安くないか?」ということです。通常支払うべき保険料よりも少ない場合、将来、健康保険や厚生年金保険、雇用保険から給付される金額が少なくなる可能性があります。

社会保険が安い場合どうなるの?>
健康保険:「出産手当金」や「傷病手当金」などが下がる
厚生年金保険:将来受け取る年金や障害厚生年金の給付額が下がる
雇用保険:失業手当や育児休業給付、介護休業給付などの給付金額が下がる

社会保険料は企業と就労者がそれぞれ一定額を負担することになっていますが、会社側が負担額を意図的に少なくしている場合が少なからずあるようです。そうなると、支払うべき社会保険料よりも安い、ということになってしまい、あなたが将来上記のような損をしてしまいます。それを確かめる方法として、健康保険料、厚生年金保険料は『標準報酬月額』を、雇用保険料は『賃金総額』をチェックしてみましょう。

<適切な健康保険料/厚生年金保険料を調べる>
標準報酬月額 × 保険料率 = 健康保険料/厚生年金保険料
※標準報酬月額:4~6月の給与(残業代や各手当を含む)÷3
※保険料率:加入している健康保険組合のホームページにて確認ができます。

<適切な雇用保険料を調べる>
賃金総額 × 0.5%(一般企業の場合) = 雇用保険料
※賃金総額:毎月貰う給料の総額。通勤手当や深夜手当などの各種手当やボーナスも含まれます。
■共済費、組合費ってなに?

会社にもよりますが、共済会などを設置し共済費を回収して慶弔見舞金や福利厚生費に充てたりしています。また組合費は労働組合の活動費として徴収され、どのように使われているのかも会社によります。もし、不本意な積み立てや徴収だと感じるのであれば、脱退できるのか、共済会規約や就業規則で確認をしてみましょう。普段きちんと見ることのない給与明細ですが、この冬のボーナスを機にぜひチェックしてみてください。

ボーナスを活用するコツ

とはいえ、給与明細をきちんとチェックしただけではお金は増えません。せっかく支給されたボーナスを無駄にしないためにも、活用方法まで教えてくれるパートナーを見つけるのも一つの手です。私から若手社会人の方にオススメしたい活用術としては、下記3つです。

1.支給金額を100%として、【将来対策の資産運用】【自己投資】【どうしても欲しいものを買う】などそれぞれ%で割り当て、予算化して使うことで金銭感覚が身に付きます。
2.半年払いの金融商品に投資することで、強制的な貯蓄習慣をつくることができます。
3.ボーナスを別の口座に移し、毎月積み立ての投資商品をその口座から引き落とせば、心理的不安を抑えた資産運用ができます。

まだまだ稼ぎが少ない若い頃だからこそ、自分の労働で得たお金に関心を持ち、正しく活用する方法を身に付けておきましょう。そうすれば、自分だけでなく家族や友人が困ったときに助けてあげることができます。

文●工藤将太郎(株式会社クレアライフパートナーズ代表取締役社長)
日本生命にて、外資系金融機関や、学校法人の福利厚生制度の構築に従事。「なぜ日本人生命保険ばかりに偏るのか?」という疑問を持ち、生命保険に頼らない将来対策法を実践し独自のノウハウを確立、2011年株式会社クレアライフパートナーズを創業する。多くの人が思い描く将来を実現してほしいと考え、FPという立場から資産運用の必要性を発信している。