関西電力が運転再開を目指している大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼動に向けて大詰めを迎えている。経産省原子力安全・保安院は、関西電力が提出したストレステストの1次評価の結果を「妥当」とする審査書をまとめた。原子力安全委員会が認めれば、地元自治体の意向と首相、原発担当相、経産相による政治判断に移る。

 野田佳彦首相は2012年2月10日夕の記者会見で、原発の再稼働について、「地元の皆さまに理解いただけるかどうかなども踏まえて、最終的には政治判断をするというのがプロセスだ」との考えを示した上で、「地元の理解なくして物事は進まないだろう」と語った。

 一方で、野田首相は「地元理解がどうなのかということは確認をしながら、場合によっては政府が前に出て説明を地域にすることはある」とも述べ、一連のプロセスの中で原発の安全性の確保ができ、再稼動が不可欠と判断した場合には、政府として地元自治体に積極的に働きかけを行っていく考えを明らかにした。

野田佳彦首相とニコニコ動画記者(七尾功)の一問一答

七尾記者: 原発の再稼働についておうかがいいたします。最終的には総理をはじめとする関係閣僚の政治判断になるわけですが、地元自治体の同意が不可欠と伝えられている中で、例えば同意が得られなくても政治判断というものはあるのか。政治判断の具体的なイメージについて教えてください。

野田首相: 原発を再起動するためには、一定のプロセスを踏むことになっています。それは事業者によるストレステストを行うと。そのストレステストについてはIAEAのレビューを受けました。そういうものを踏まえまして、次は保安院による評価、そして、その後に(原子力)安全委員会における確認。それを経た後に、まさに今ご指摘のあったとおり、地元の皆様にご理解いただけるかどうかなども踏まえて、最終的には政治判断をするというのがプロセスでありますけれども、やはり地元の皆様のご理解をなくして、なかなかこれは物事は進まないだろうと。

 そのために必要ならば、再起動させるかさせないかという一定の意図ではなく、プロセスをたどった後、そこ(政治判断)まで来たときには、どうしても(再稼動が)必要だと、地元理解がどうなのかということは確認をしながら、場合によってはご説明をきちっとすると。政府が前に出てご説明を地域にするということはあるというふうに思います。

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http://live.nicovideo.jp/watch/lv80919647?po=news&ref=news#19:34

七尾功

野田佳彦首相