
2026年8月、台湾を代表する屈指の観光名所である新北市瑞芳区の九份において、景観保護と観光の利便性をめぐる前代未聞の紛争が勃発し、台湾社会を大きく揺るがす大騒動へと発展している。事態の発端となったのは、同地を訪れた中国人インフルエンサーがSNS上で展開した主張だ。ノスタルジックな街並みと赤提灯が立ち並ぶ急勾配の階段街として世界的な人気を誇る九份に対し、あろうことか「階段が過剰に急であり、高齢者や障がい者、幼少の子供への配慮が致命的に欠如している」と猛烈な批判を展開。山腹を大規模に掘削した上で大型エレベーターや屋外エスカレーターを設置するべきだとするバリアフリー化の陳情書を作成し、現地行政機関である新北市政府へ提出するための署名活動を開始したことが分かった。
事件の詳細は極めて身勝手な観光客のエゴイズムに端を発している。問題の動画を投稿したのは、数万人のフォロワーを抱える中国人旅行系インフルエンサーだ。猛暑に見舞われた8月初頭、狭く険しい石段が続く九份のメインストリート「豎崎路」を訪れた際、混雑と急勾配による身体的負担に対し極度の不満を抱いたとされる。同氏はカメラに向かって「このようなバリアフリーを無視した構造は現代の観光地として失格だ。観光客から多額の消費収益を得ているにもかかわらず、バリアフリーインフラへの投資を怠っている」と熱弁。歴史的街並みの中心部に近代的なエレベーターシャフトを建てる完成予想図まで勝手に作成し、ネット上で署名を呼びかけた。この身勝手すぎる主張に対し、現地住民や台湾のネット民が一斉に猛反発し、炎上状態となった。

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