
ちょっと自分の周りの人達を思い浮かべてください。親切な人、気配りがきく人、人のお世話が好きな人達に不機嫌な人はいないと思いませんか? もちろんシャイな人もいますし、外見は怖そうなんていう男の人もいますが、そういう人達が不機嫌というわけではありませんよね。
眠気、ストレスが簡単にとれる! 幸せ物質「セロトニン」の増やし方
筆者の周りでも、人に親切な人達はみんな、ポジティブでハッピーに見えます。実はこれには理由があったのです。
今日は、経営者・文筆家であり、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している幼児教育研究家の平川裕貴が、男性女性や年齢に関わらず誰でもできるストレス軽減方法を、米イェール大学の研究からお話しします。
米イェール大学の研究
イェール大学の医学部の研究者エミール・アンセル氏らの研究によると、「私達は日常、多くのストレスを受けている。そのことで健康が脅かされるが、人に対する援助行為が、自分のストレスを軽減してくれる」と発表しました。
この研究は18歳から44歳までの成人77名を対象に、日常の感情や経験をスマートフォンで14日間報告してもらいました。 参加者らは、個人、仕事/学校、自宅、経済、健康/事故や、日常のストレス度など、その日の全ての出来事を報告しました。
同時に、その日にドアを開ける、宿題を手伝う、困っている人に声をかける等、何か援助行為を行ったかどうかもチェックしました。 参加者は、10項目からなる感情を評価する質問票(PANAS)を用い、0-100(100がベスト)の数値を用いて、精神的な健康状態を回答しました。
その結果、なんらかの援助行為を行った人は、ポジティブな気分になり、その日の幸福感が高まったそうです。逆に、援助行為がいつもより少なかった人は、ネガティブな気分になり、その日の幸福感は少なかったのです。
また、援助行為を多くする人は、感情や精神の健康が保たれ、ネガティブな感情は抑えられていたそうです。
親切な人がいつもハッピーでいられる理由
人に親切な人がいつもハッピーでいられる理由
人に親切な人達が、穏やかでハッピーに見えるのは、援助行為をすることで、ストレスが減り幸福感が増すのだという、科学的な理由があったのですね。
人に対する気配りのできない自己中心的な人や、相手を思いやることのできない人は、ストレスが軽減されるチャンスを逃しているということ。その結果幸福感も味わえず、一日中不機嫌ということになるのかもしれません。
この研究では、民族の違いや文化的背景によって、結果に違いが出るのかをさらに検証するようですが、少なくとも日本人には当てはまると思います。
人に対する援助行為が自身のストレス解消になる!
私達の日常は、確かにストレスが溜まることだらけですね。仕事が忙しい、締め切りに追われる、家事や子育てに振り回される、来客や他家への訪問で気を使う、近所付き合いや人付き合いに煩わされるなどなど。
でも、そんな時こそ、積極的に援助行為を行えばいいのです。援助行為の対象は、友達でも知り合いでも、見ず知らずの人でもいいのです。
たとえば、後ろから来る人のためにドアを押さえて待ってあげるとか、エレベーターの行き先ボタンを押してあげるとか、乗り物で席を譲ってあげたり荷物を持ってあげるとか、急いでいる人に順番を譲ってあげるとか、お年寄りや身体の不自由な人に手を貸してあげるとか、困っている人に声をかけるとか、どんな些細なことでもいいのです。
見て見ぬ振りして通り過ぎるのではなく、ちょっと勇気を出して声をかけてみませんか?
こういう援助行為は、本当は当たり前のことだと思うのですが、人との関わりが希薄になっている現代では、ちょっと勇気のいることかもしれません。
でも、援助行為をすることで、相手が助かるだけでなく、自分のストレスも軽減されてハッピーになるのですから、やる価値がありますよね。
人助けは、イライラしている時こそ、一服の清涼剤となるのです。
<参考>
・Helping others dampens the effects of everyday stress

コメント