江西省国土資源庁は5日、同省内で大型の銅・タングステン鉱山の存在を確認したと発表した。三酸化タングステン鉱石の埋蔵量は286万トンで、世界最大という。

 場所は同省景徳鎮市街地の南東13キロメートルにある浮梁県。同鉱山では銅鉱22万4000トン、銀鉱1165トン、さらに亜鉛、ガリウムカドミウムの産出も可能という。埋蔵量確定のための調査は現在も続いており、今後さらに追加される可能性もあるという。

 江西省国土資源庁が同鉱山の調査を始めたのは2010年で、これまでに21カ所でドリルを行った。地中から採掘したサンプルは1万6000点を超えたという。

 中国はすでに、世界のタングステン鉱の8割程度を採掘している。

 タングステンは金属の中では電気抵抗が比較的大きく、これまで白熱電球のフィラメントとして使われてきた。ただし、白熱電球はエネルギー効率の悪さのために、LED電球などに置き換えられている。

 現在、重要さが増しているタングステンの用途としては、タングステン合金や炭化タングステンの硬度の高さを利用した切削用工具や砲弾や戦車の装甲などの軍需品だ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF。工具用タングステンビット)