
2026年9月12日、中東情勢が再び急激に緊迫し、世界のエネルギー市場と日本経済が深刻なショックに直面している。現地通信社イルナ(IRNA)、米CNN、アルジャジーラの報道によれば、ホルムズ海峡周辺で米軍機とイラン側武装組織による民間・軍用船舶への攻撃や拿捕が再発。これを受け、国際指標であるブレント原油先物価格は1バレル=101ドルをあっさり突破し、市場は恐怖と混乱に包まれている。
今回の紛争再燃の背景には、中東の安全保障対立が長期化し、海上交通の要衝であるホルムズ海峡が“機能不全”に陥っている現実がある。通常なら世界の原油供給量の約2割が通過するこの海峡だが、ミサイル攻撃、ドローン妨害、船舶差押えリスクの高騰により、現在の通航量は平時の2割程度まで激減。大手海運会社は乗組員と高価な船体を守るため、海峡通航を次々と見合わせ、代替ルートへの切り替えや港での待機を余儀なくされている。
その結果、超大型原油タンカー(VLCC)の運賃相場は“天井知らず”の急騰を続け、1日あたりのチャーター費用は10万ドル超という異常水準に到達。海上保険会社も保険料率を劇的に引き上げ、原油輸送コストは極限まで膨れ上がっている。
日本経済にとって、ホルムズ海峡の機能不全はまさに致命傷となりかねない。日本が輸入する原油の9割以上は中東依存であり、その大半が同海峡を経由する。原油価格の高騰と運賃上昇は、ガソリン・灯油の即時値上げ、火力発電の燃料費増による電気・ガス料金の再値上げを引き起こす。さらにプラスチック、化学繊維、化学肥料などの原材料費が跳ね上がり、生活用品から食品まで、あらゆる価格が連鎖的に上昇することは避けられない。
日本の中央銀行や政府はこれまで、長引くインフレを抑えつつ成長を維持する難しい舵取りを続けてきた。しかし今回の“原油100ドル突破”は輸入インフレを再燃させ、個人消費を冷え込ませ、企業収益を急速に悪化させる恐れがある。エネルギー資源の大半を海外に依存する日本経済の構造的弱点が、中東の安全保障リスクによって再び露呈した形だ。
世界経済全体でも、中央銀行の利下げ期待は後退し、金利高止まりと物価高が同時進行する“スタグフレーション”への警戒が強まっている。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの軍事的緊張がさらに悪化すれば、原油価格は120ドル台へ跳ね上がるとの見方も少なくない。外交的仲介が実を結ばない限り、海運とエネルギー供給網の混乱は長期化し、世界的な景気後退の引き金となる可能性が高まっている。

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