場所は韓国の国会敷地内。事前の身柄確認や厳格な入場審査を経ずとも、事件を起こす男があっさり敷地に入れてしまう――この緩さこそ、韓国の安全管理の弱点を象徴しているように思える。

男の目的はデモ。労働組合委員長で70代という肩書きが“特別扱い”を生んだのか、国会敷地への立ち入りは許可された。しかし、その後の行動は常軌を逸していた。

男はほどなく、猥褻物陳列罪(公然淫乱罪)で逮捕された。 理由は単純明快――国会敷地内で全裸になってデモを行ったからだ。入場時に脱げば当然止められるため、敷地内に入ってから衣服を脱ぎ捨てたとみられる。

さらに悪質なのは、その後の行動だ。デモの最中、男は突然服毒自殺を図った。幸いにも、近くにいた国会議員が制止し、未遂に終わった。国会内には警察官も常駐しているが、実際の警備は官吏相当の警備員が担っており、対応の遅れが指摘されている。

取り調べによると、男は「雇用拡大を強烈に訴えるため、記憶に残る形で示したかった」と供述したという。しかし、全裸も服毒も、訴えというより自己満足の暴走にしか見えない。

韓国では、この猛暑で“脱ぎたがる男性”が増えている。街中では上半身裸でジョギングする男性が目立ち、住民からは「見たくない」「公序良俗に反する」と苦情が殺到している。 下半身まで脱ぐ勇気も自信もない男性たちが、上半身だけ脱いで承認欲求を満たす――そんな風潮が広がっているとの指摘もある。

その延長線上に、今回の“国会全裸デモ”があるのだろう。 猛暑と承認欲求が結びつき、ついに国会という国家の象徴で裸になるという、韓国社会の歪みが露呈した事件と言える。

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