2月2日放送、「NHKニュースおはよう日本」(NHK)では、フランスヘリウムガス燃料の運搬船。フランス南部でヘリウムガスを燃料として動く、小型運搬船が開発途中にあり、注目を集めている。仮に成功すれば、数カ月後には木材の運搬手段としてデビューする予定。最大の運搬料は4トンと、ヘリコプターとは変わらないが燃料は最大で20分の1まで節約できるのが魅力だ。

やはり空の便は燃料代がかかるのがネック。別の会社では、大型旅客機2機分の150メートルの巨大飛行船の開発に着手しており、順調だ。この巨大飛行船を使えば、60トンある住宅をまるごと運搬することが可能になり、パワーは抜群だ。飛行船のメリットとして、開発会社の幹部は「道路や線路。空港がない場所でも大丈夫で、例えば風力発電機の羽も運べる」と説明してくれた。行政当局は15年後には飛行船業界が数千億円規模の業界に成長するとみており、可能性のある業界として注目だ。

ヘリウムは、通常は燃料にはならない。ヘリウムは地上にはほとんど存在せず、絶対量が少ないため、ヘリウムガス燃料が今後の世界の燃料事情をリードするという可能性は少ないだろう。

たとえば、燃料電池自動車で、衝突した時の燃料漏れの測定に、水素ガスの代替としてヘリウムなどが使われるケースがある。

ヘリウムは燃えない上に、浮揚力があるため、水素よりも安全なガスとして風船に使われたりする。軍事用偵察気球などや広告バルーン天体観測など、浮揚のガスとして幅広く使われている。

ヘリウムは、実はMRI検査に不可欠だ。超電導は金属の抵抗が限りなくゼロになる状態。強力な磁場を得るために、超伝導状態を作り出すことが不可欠だ。超電導状態を創りだすためには、磁場を絶対零度近くまで冷却する必要がある。MRIは、強力な磁場を使って人間の体内の様子を画像化する。このMRIにも、液体ヘリウムが不可欠だ。装置の中にある超電導磁石を冷却しつづけるために使われている。