2月17日放送、「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ)では、阿久津前市長の退職金が話題に。

今年1月に、栃木県那須塩原市阿久津市前市長が退職した。だが、退職金は20円。4年前、市長選に立候補したとき、市の財政を考慮して、退職金0円や給与3割カットなどの公約を掲げて、市長に当選した阿久津市長。しかし、退職金を0円にしてしまうと、公職選挙法違反となってしまう。理由は、退職金を自治体に寄付したとみなされるため。阿久津前市長は、退任直前の月給を1円にしていた。在任期間を元にした退職金を算出し、20円となったという。退職金が本来ならば1,950万円もらえるはずだったものが、20円になってしまったことについて、阿久津氏の奥様は、本音ではガッカリしていたが、20円になったことを諦めてはいるものの納得しているという。

阿久津前市長は72歳。出身は栃木県黒磯高校卒だ。自民党やみんなの党を経て、無所属で立候補。2015年12月の市長選では1年4期の実績を強調したものの、落選してしまった。だが最後まで公約に忠実で、市の財政状況に配慮してこのような退職金を設定した。2016年の1月21日に任期満了により市長を退任し、政界から引退することを表明している。

退職金は、民間企業では法律上支払いの義務はないが、75.5%の会社が退職金制度をもうけている。一方で国会議員には退職金はない。落選はあるのだが、退職があるわけではないので、退職金がないという仕組みだ。そのかわり、国会議員には、廃止されたものの支払いだけが続いている議員年金がある。65歳から支給され、国会議員在職10年以上で支給される。掛け金は年間で127万円ほどで、支給は10年勤めれば年間412万円。中曽根元総理には年間742万円ほどの年金が支払われている。

一方で、自治体の首長である市長には、退職金が支払われる。市長は任期満了などによる退職があるからだ。市長の退職金の仕組みは、国が決めるのではなく、各地方自治体が独自に決めている。大抵の場合、市職員などの退職金と同様、月給×勤続年数×定率で決まる。だが特別条例により市長の給料や退職金をカットしている自治体も多く、日本全国の自治体の苦しい懐事情とどう折り合いをつけるのかが市長の腕の見せ所でもある。