手持ちの現金がない時でもサッと支払いができるクレジットカード。利用することでポイントも貯まるため、日々の買い物をクレジットカードで済ませている人もいるだろう。いろいろと便利である一方で、気づかないうちに使い過ぎてしまい、引き落としが終わった銀行口座を見て青ざめた人もいるのではないか。「教えて!goo」にも「クレジットカードを使いすぎて困っています」という相談が寄せられていた。

相談者の男性はクレジットカードの返済日にお金を用意できず、別の消費者金融にお金を借りようか迷っているという。これに対し「カードに、『あとで分割』『あとでリボルビング』といった機能はありませんか。あるならば、早急にカード会社に連絡して変更してもらってください。…中略…ないならば、貯蓄を取り崩したほうがいいです。貯金金利よりも借金の金利は数倍~数十倍だからです」(namnam6838さん)や「親に泣きついてでもお金を借り、消費者金融には手を出さないことをお薦めします」(hyde19さん)のような、真摯なアドバイスが寄せられた。

クレジットカード返済のために別の会社から借り入れをするということは、返済金が膨らみ続ける悪循環のはじまりだ。相談者の男性はアドバイス通りリボ払いに変更することで、毎月の返済額を一定にし、地道に働いて返済することにしたようだ。このように、使い方を誤ると危険なクレジットカードだが、きちんと管理して使っている人も多くいるはず。クレジットカードが向いている人と向いていない人の違いについて、心理学者の内藤誼人先生に聞いた。

■バロメーターは心の健康度

内藤先生によると、ある研究によってクレジットカードが向かない人の傾向が明らかになっているという。

イギリスにあるレスター大学のサラ・ブラウンの調査で、心理的な健康度が低い人ほど、クレジットの負債額が多いということが分かりました。心理的に満たされていない人や不満がある人は、一時的な幸福感をショッピングで得ようとしがちです。そのため、ついクレジットカードで衝動買いをしてしまうことがあるというのです。逆に心が満たされている人は、クレジットカードを持っていても、使いすぎることはないようです」(内藤先生)

本来、現金がなければ衝動買いはできない。しかし、クレジットカードを持つことでそれが可能になる。現金がなくても、好きな時に好きなだけ買い物できてしまうところがクレジットカードの怖いところ。心の満たされていない人は、この落とし穴にはまりやすいということなのだろう。

■普段は満たされている人でも……

サラ・ブラウンの研究結果の通りだとすれば、心理的に健康な人なら安心してクレジットカードを使っていいのだろうか。

「上手にコントロールしながら使う分には問題ないでしょう。ただ、普段は落ち着いている人でも、恋愛や仕事など何かの拍子に不満を抱えることがあります。こういった場合に、衝動買いに走ってしまう人もいるようです。自分でストレスが溜まってきたと感じたら、家族などに一旦カードを預けるといいかもしれませんね」(内藤先生)

いつどんなことがきっかけで不安定になるかが分からない人間の心……。クレジットカードは、正しく使えば非常に便利なツールである。普段からクレジットカードを使う人は、自分の心の健康状態に注意を払うようにしよう。

●専門家プロフィール:内藤 誼人
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「すごい!モテ方」(廣済堂)、「アドラー心理学あなたが愛される5つの理由」(ぱる出版)他、著書多数。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

大学の研究で判明!クレジットカードが向かないのは●●な人