オフィスでついやってしまう敬語の間違い

大学生のみなさんでも、社会人の先輩と話すときや教授に話しかけるときなどは敬語を使うのではないでしょうか。しかし敬語というものはやっかいで、うろ覚えの知識で使ってしまうと敬っているつもりがおかしな表現になってしまうことがあります。今回は、間違えがちな敬語についてご紹介します。

■つい使いがちな二重敬語!

二重敬語とは、すでに敬語になっているのにさらに敬う表現を重ねて、敬語の誤用になってしまったものをいいます。たとえば、以下のような二重敬語は一般的に誤りとされます。

☓社長がご覧になられた。
◯社長がご覧になった。

「ご覧になる」がすでに尊敬語であるため、それを「なられた」にすると二重敬語になります。

☓先方の鈴木部長がおっしゃられていました。
◯先方の鈴木部長がおっしゃっていました。

「おっしゃる」がすでに尊敬語です。尊敬語は「動詞 + れる・られる」という形でつくられる場合がありますが、この場合は二重敬語になっておかしい表現になります。

5月1日に伺わせていただきます。
5月1日に伺います。

電話やメールで使いそうな表現ですが、「伺う」「いただく」は両方とも謙譲語です。ですから「伺わせていただく」はやはり二重敬語で、一般的には誤用となります。

☓企画書を拝見させていただきました
◯企画書を拝見しました。

「拝見する」が謙譲語で、すでに敬語です。「させていただく」は謙譲表現ですから、これも二重敬語です。この場合は「拝見しました」で良いのです。

■二重敬語でも許される場合がある!

しかし、言葉とは不思議なもので、多用されている間に「その使い方もOKにしましょう」となることがあります。二重敬語の中でも、定着しているから慣用的にOKというものがあるのです。たとえば、以下のような場合です。

◯お召し上がりになった。

「召し上がる」は「食べる」の尊敬表現で、それに「お◯◯になる」という尊敬表現をかぶせています。ですが、この場合は二重敬語で誤用とはされないようです。

◯お伺いします。

これも「伺う」という謙譲語に、「お○○する」という尊敬表現をかぶせています。でも、やはり二重敬語ではないとされるようです。二重敬語はたいてい駄目なのですが、このような表現は許容されるのです。やはり敬語は難しいですね。

■電話の話し言葉に気を付けて!

取引先と電話で話している場合につい出てしまう表現の中にも、正確には「誤用」となるものがあります。

もしもし、株式会社◯◯◯でございます。
◯はい、株式会社◯◯◯でございます。

これは敬語ではありませんが、電話番を任された新入社員にありがちな失敗なので取り上げます。「もしもし」は相手に対する呼び掛けの言葉です。かかってきた電話で相手のいることが分かっているのですから、「もしもし」と電話に出るのはおかしいですね。

☓山田課長は離席しております。
◯山田は離席しております。

「課長」「部長」などの肩書はそれ自体に「尊敬表現」が入っているとされます。ですから、外からかかってきた電話に対して、身内の人間に肩書を付けて話してはいけません。「山田は……」という話し方をしましょう。

いかがだったでしょうか。頭で理解していても実際に身に付いていなければ役に立たないので、実際の会話のなかで正しい敬語を使っていくことが大事です。

(高橋モータース@dcp)

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7月11日(月)一部記事を修正いたしました。