「世界で当たり前の原発のルールを規則に盛り込まなかった責任者は?」「わたくしです」 国会原発事故調査委員会 第8回委員会

3月31日付での退任が発表された、東京電力フェロー(副社長待遇)の武黒一郎氏。
武黒氏は参考人として招致された3月28日の国会事故調査委員会で、強く責任を問われていました。
委員会当日は、武黒氏だけでなく原子力安全保安院院長・広瀬研吉氏も招致されており、広瀬氏に対してもかなり厳しく責任の追及が行われています。野村修也委員の厳しい語調に対し、広瀬氏は非常に切迫した表情を見せていました。
原子力安全保安院アクシデントマネジメント(過酷事故対策)を規則に盛り込まなかったことに関する、広瀬氏と野村修也委員のやりとりの抜粋です。

以下抜粋動画書き起こしです。

野村氏:以前こちらの委員会に斑目委員長にご出席いただいたときに、世界では“五重の防護”というのが常識になっていたところ、日本は“三重の防護”にとどまってしまっていたことが問題だというご発言があったんですけれども、こういったご批判を受けている点について、保安院の対応としてなにか問題点があったとお考えでしょうか。

広瀬氏:その点についてはなにか特に問題があったとは考えていません。

野村氏:むしろ保安院のほうでは“シビアアクシデントについてはルール化をすべきだ”というお立場だったと私どもは理解してるんですが、そういう立場ではなかったんでしょうか。

広瀬氏:世界的にアクシデントマネージメントについてルール化の取り組みがされていましたので、保安院ももっと一歩進めた検討をやっていくことの必要性は感じていました。

野村氏:そういう方針でしたし、そういう努力もされておられましたよね? 具体的にどういう努力をされておられたんですか?

広瀬氏:ちょっと今具体的には記憶がございません。

(中略)

野村氏保安院が規制のなかに盛り込めば、業者はそれに従ってやんなきゃいけなかったわけですよね。ところが、規制に盛り込むことなくとどめてしまったがために、シビアアクシデントは“業者の任意の対応”になったわけですね。それを規制として盛り込むということが世界の趨勢になっていたわけですから、当然保安院のお立場としては、“規制に盛り込みたい”というお考えだったということで間違いはないですよね?

広瀬氏アクシデントマネージメントについての世界的な状況というのは認識をしておりましたけれども、それに対してもう一歩進めて具体的に取り組むという努力がなかったという風に考えております。

野村氏:あの、「はい」か「いいえ」でお答えいただければ結構なんですが、保安院の立場としては規制に盛り込みたかったということでよろしいですね?

広瀬氏:あの、ま、あー 世界的な……

野村氏:「はい」か「いいえ」で結構なので。“盛り込みたかった”ということでよろしいですね?

広瀬氏アクシデントマネージメントの……

野村氏:あの、「はい」と「いいえ」しかありませんので。“盛り込みたかった”ということでよろしいですね?

広瀬氏アクシデントマネージメントの重要性は認識をいたしておりました。

野村氏:盛り込みたかったですか。

広瀬氏:あ……そうですね、やはり“シビアアクシデント防止”というのが最後の砦ですので、いずれ機会があればアクシデントマネージメントの要求をもっと法令上のものにすることが必要だと思っていました。

野村氏:あの……規制当局なんですよね? 法律の中にそれを書けばいいわけですよ。いったいなぜ書かなかったんですか。誰が反対したんですか。

広瀬氏:誰が反対したというよりは、なかなかそういう具体的な議論まで達しなかった、という状況だったと思います。

野村氏保安院のなかの部下の方との議論が煮詰まらなかったということですか、それとも規制対象となっている電力事業者との議論が煮詰まらなかったということですか。

広瀬氏保安院の中でもう一歩踏み出すという議論が、煮詰まっていかなかったということだと思います

野村氏:では保安院の中に反対者がいたということですね?

広瀬氏:反対者がいた、というふうには思いませんが、そういう議論がなかなか醸成していかなかったと思います。

野村氏:最終的に規制に盛り込むかどうかという判断をするのはどなたですか?

広瀬氏:それは、あの、原子力安全保安院長だと思います。

野村氏:そのときの原子力保安院長はどなたですか。

広瀬氏:そのときのとおっしゃるのはいつのことをおっしゃっておられるのでしょうか。

野村氏2005年から2007年のあいだの保安院長で結構です。

広瀬氏あ、それは、わたくしです。