
篤姫が現代の銀座にタイムスリップしてNo.1ホステスを目指す映画「篤姫ナンバー1」で主演を務めたモーニング娘。OGの石川梨華とエグゼクティブ・プロデューサーで出演も兼ねたつんく♂に単独インタビュー。篤姫が生きた戦国時代とは違い、アイドル戦国時代といえる現在の状況を、一時代を築いた2人はどう見ているのだろうか?
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ゼロ年代を代表するアイドルといえば、つんく♂がプロデュースしたモーニング娘。だろう。数々のヒット曲を飛ばし、現在のAKB48へと繋がるアイドル・ブームを、おニャン子クラブ以降再び蘇らせた感がある。しかしつんく♂は「僕たちの場合は、モーニング娘。ブームで、現在のアイドル・ブームに比べるとスケールが違います」と指摘。さらに「今はアイドル・ブームというブームを作っている時代で、アイドルというキャラクターを面白がって商売にしている。アイドルになりたいという人が沢山いるけれど、日本にマイケル・ジャクソンやレディ・ガガが不在であるのと同様に、核になる象徴が存在していない」と分析する。
現在のブームを冷静に捉えているつんく♂にこそ、新たな起爆剤投入を期待したい。「継続は力なり。皆さんのモチベーションを下げないように常に揺さぶっていきたい」と多くを語らないが「モーニング娘。のメンバーを増やしたときに苦情が殺到したけれど、責められているときが一番楽しい。それを常に心がけていますね」と企みはあるようだ。AKB48の柏木由紀がファンと公言していることから石川は「気になってますよ」とニッコリ。「今の私にアドバイスできることはないですよ」と後輩アイドルたちの活躍に期待している。
そんな二人が日本に明るさを、と製作したのが本作だ。ホステスの成長物語を予定していたが、東日本大震災を経験したことで混沌とした時代にのし上がっていった篤姫を主人公に添えた。つんく♂は、石川の女優としての成長振りに「12年間一緒にいてある程度の期待はあったけれど、見くびっていた」と舌を巻く。篤姫が働くクラブに来る面倒くさい客としてつんく♂も熱演を披露するが、石川は「私に対してグイグイ来るつんく♂さんが本当に嫌でした。普段は思わないのに、なんだコイツと思ってしまったくらい。面白いシーンになっているはず」と手応えを語る。本作に「笑える場面も沢山あるし、感動するシーンもあって元気になれる」との思いを込める石川は「4月公開ということで、五月病予防にもなるはず」とニッコリ。震災以降の心の変化が主題曲にも現れているというつんく♂は「明るい未来があってほしいという気持ちですね。当たり前の幸せを大切にしていきたいという思いを歌詞に込めました」とメッセージした。
同作は、江戸幕府の13代将軍・徳川家定の正室として知られる篤姫が現代にタイムスリップし、銀座の高級クラブのホステスとしてナンバーワンを目指すファンタジック・コメディー。共にタイムスリップするお世話係のタエを中澤裕子が演じるほか、吉澤ひとみも出演している。
映画「篤姫ナンバー1」は、4月7日(土)新宿ミラノ3ほか全国ロードショー

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