ここ数年、日本を旅行で訪れる中国人が増えている。それに伴い、中国人旅行客によるマナー違反も目につくようになったのは事実だ。中国メディアの海外網はこのほど、日本旅行を計画している中国人に対し、日本と中国の法律は「違う」と指摘したうえで、日本でうっかり法を犯さないよう注意を喚起する記事を掲載した。

 記事は、日本において軽犯罪法に触れる恐れのある行為を紹介している。それは列の割り込み、おつりを多く渡されたのに返さないこと、指定以外の時間にゴミを捨てること、電柱に登ること、公園など公共の場所で痰を吐くこと、酒を無理に飲ませるといった行為だ。

 こうした行為のいずれもが、中国では日常的に見られることだ。だが、日本では厳密に言えば犯罪にあたるとし、場合によっては罰金や拘留が科せられることもあるので注意が必要だと論じた。続けて、日本人は民度が高いと指摘しつつ、「民度が先天的に高いことはありえない」と主張、日本には軽犯罪法があるため、日本人は処罰を恐れて「非文明的な行為」ができなくなっていると主張した。

 「郷に入りては郷に従え」の考え方に基づき、日本を訪れる中国人が日本のルールを守ろうとするのは評価できる。だが、根本的に間違っているのは、日本人が割り込みや痰吐きなどの行為をしないのは、記事が主張するような「罰則のため」などではなく、やはり意識の問題であると言えるだろう。

 仮に中国で軽犯罪法を強化し、人びとのマナーを法律で縛ろうとしても結局は法の穴をくぐる人が出るだけだだろう。中国社会に今必要なのは、日本を訪れた中国人たちが日本でうっかり法を犯さないよう注意しつつ、その意識を中国に持ち帰ることではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本人が「非文明的な行為」をしない理由、日本を訪れるなら要注意=中国