皆さんこんにちは。15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。ネイルサロンは不思議な空間。
手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。そんなサロンワーク中のみんなの恋のお話を切り取ってお送り致します。
※許可を頂いたものだけ掲載しています。※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。


◇3時間怒り続けるパワー

今回は、ネイルサロンをちょっと出て、先日見かけた「怒り続ける彼女」のお話しをしようと思います。
仕事の打ち合わせであるカフェへ入った日。結構な大声で彼を怒る彼女がいました。聞こえるのは彼女の声のみ。周りの人はみんな耳ダンボです。どうも、彼がこっそりナンパしていたことを見かけた友人がいて、それを聞いた彼女が、彼を問い詰めつつも怒りが爆発しているようです。
でも、茶髪坊主でサングラスをかけた強面の彼は、頭をがっくり下げて「ごめん」「うん」「ごめんなさい」のエンドレス。彼女にとってはまるで、鳴らない太鼓を叩き続けるような時間。怒っている自分の声を聞いて、更に怒りが増しているような恐ろしいパワーを発していました。
2時間も経つ頃、彼女は彼を連れてお店を出たのですが、その1時間後、わたし達がお店を出たら、なんとお店の外の路上でまだ彼が怒られていました。「まだ怒ってるのか」なんて横目で通り過ぎつつ、居酒屋へ。2時間程飲んだ後、先程のお店の前を通ったら、案の定彼はまだ怒られています。
「すごいパワーだ」と思わず感心せずにはいられませんでした。


◇怒りと理解の違い

彼女はわかってほしかったんだろうと思います。「ナンパする彼は嫌」であること。裏切られたようで悲しかったこと、傷ついたこと。自分が許せない行動をした彼に怒りがわくのは当然で、女性なら一度は経験があるかと思うのですが、彼に怒りを感じた時に「怒り」をそのままぶつけても実はほぼ無意味。
怒りのボールを投げても、当たって彼が痛がるか、打ち返されるかのどちらかです。当たって痛いのも打ち返すのも、案外「疲れる」もの。疲れると離れたくなりますよね。彼にやめてほしいことや改善してほしいことがあるなら、彼が受け取りやすい「彼に浸透する言葉」を投げかけないと意味がありません。


◇おわりに

どんなに正論でも、どんなに相手が間違っていても、ボールを投げてぶつけるだけじゃ、自分のその場限りのストレス解消になりがち。日頃溜め込んでいたイライラまで一気にぶつけてしまいそうですよね。彼に怒りすぎている人はちょっと怒りのボールをぶつけるのを休憩してみるといいかも。
彼が悪いのかもしれないけれど、悪いことした人って案外「罪悪感」を持っているもんです。その罪悪感を見つけてあげて「許す」なんてボールを投げてみると上手にキャッチしてくれるかもしれませんよ。たまにはね。
あの「怒り過ぎ」の彼女、彼をちゃんと許してあげているといいなぁと思います。怒って怒られている場面でなければ、とってもお似合いのお二人だったんですよ。(川上あいこ/ライター)
(ハウコレ編集部)

―あのコの恋愛事情― #彼に怒りすぎてしまう彼女 編