アニメ作品に登場するキャラクターの中には、「主人公だと思っていたのに実は主人公じゃなかった」というキャラクターがいたりします。タイトルに名前が入っているのに主人公じゃなかったり、主人公のような活躍や振る舞いを見せるも、実は違うキャラが主人公だったりとそのパターンはさまざま。今回は、こうした主人公っぽいけど主人公じゃなかったアニメキャラをピックアップしてみました。

●『屍鬼』結城夏野

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2010年に放送された、小野不由美原作のサスペンスホラーアニメ。隔離された田舎の村を舞台に、村民たちの連続怪死事件の謎を村医者や村に住む少年たちが追う……という物語です。序盤は結城夏野という、村に住む高校生が早々に異変に気付き、事件の黒幕を突き止めるために活躍。端正な顔立ちをしており、まさに主人公というキャラクターでしたが、あっさりと黒幕サイドにやられてしまい退場。後にある理由で再登場するのですが、まさかの死んでしまう展開に「こいつ主人公じゃなかったの!?」と視聴者は驚きました。

●『デュラララ!!竜ヶ峰帝人

2010年に1期、2015年から2016年にかけて2期が放送された、人気ライトノベルが原作のアニメ。池袋を舞台に、高校入学のために上京した竜ヶ峰帝人という少年がさまざまな事件に巻き込まれていく物語です。この粗筋では、主人公は竜ヶ峰帝人のように思えますが、実はセルティという名前の「首のない女性キャラ」が主人公。1期は主に帝人の視点で進むので、帝人が主人公だと思う人も多かったでしょう。ただ、後に発売された公式のムック本で、帝人は「表の主人公」という扱いに昇格しています。

●『涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)』涼宮ハルヒ

2006年に放送された人気ライトノベル原作のアニメ。涼宮ハルヒという女子高生が、クラスメートの男子高校生キョンと共に謎の部活「SOS団」をつくり、周囲を巻き込みながら自分のやりたいことをやっていく……という作品。タイトルが「涼宮ハルヒ~」となっているので、彼女が主人公だと思いきや、主人公はキョン。彼の視点で物語は進みます。ハルヒは非常に重要な役割を担ってはいるのですが、基本的に騒動の蚊帳の外であることが多く見られます。

●『ドラえもん野比のび太

もはや説明するまでもない国民的アニメ。毎度騒動を起こし、劇場版では大活躍を見せるのび太君が主人公のように思っている人も多いでしょう。しかし主人公はタイトルにもなっているドラえもんの方です。ドラえもんはサポートに徹し、のび太君目線で物語が進む展開がほとんどですが、作者の藤子・F・不二雄先生が生前に講演された内容によると、のび太君は副主人公なんだそうです。

●『喰霊-零-』観世トオル


月刊少年エース』で2005年から2010年にかけて連載された人気ホラー漫画『喰霊』の前日譚を描いたアニメ作品です。1話では、悪霊退治を専門とする防衛省特殊部隊に所属する観世トオルが、部隊のメンバーと共に悪霊たちと戦う姿が描かれ、どう見ても彼が主人公という活躍を見せます。しかし1話の最後でトオルを含む部隊全員が死亡。実は主人公は全く別のキャラクターでした。公式サイトも「トオルを中心とした物語」と意図的に示唆していたため、多くの人が勘違いしました。

●『ぼくらの』ワク(和久隆)

とあるきっかけで巨大ロボットに乗り、命を懸けて地球を守るために戦わないといけなくなった少年少女の物語を描いた作品。アニメは2007年に放送されました。物語の序盤、明るく活発で子供たちのムードメーカー的存在というワクが、ロボットを操縦することになります。空想の物語のような展開にテンションを上げるなど、まさに主人公という振る舞いを見せますが、地球の脅威となる敵を撃破した後に命を落とします。原作を知らない人は、相当に驚きました。

●『スヌーピーチャーリーブラウンスヌーピー

世界的な人気漫画『ピーナッツ』を原作とするアニメ。本作に登場するビーグル犬のスヌーピーが非常に有名なため、日本では本作=スヌーピーという形で印象付けられていたりします。なのでスヌーピーが主人公だと思っている人が多いでしょう。しかし主人公はスヌーピーの飼い主であるチャーリーブラウン。主人公ですが、スヌーピーのむちゃな行動に振り回されてばかりです。『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョンと同タイプの主人公といえますね。

主人公っぽい、また主人公と思わせる活躍を見せるけど、実は主人公ではないというアニメキャラクターをピックアップしてご紹介しました。皆さんは、こうした「主人公じゃなかった!」というキャラといえば、誰を思い浮かべますか?

(中田ボンベ@dcp)