最近、積極的に育児参加したいという男性が増えているようですが、「パパの育児休業取得」にはまだまだ大きな壁があるようです。厚生労働省の発表によると、2015年度の「男性の育児休業者割合」は、初回調査以来「過去最高」とはいえ、わずか2.65%とのこと。

そんな中、男性で育児休業を1年間取った人の顛末が注目を集めました。11月6日に、はてなブログに投稿された「妻よ、子供達よ、ごめん。パパは無職になります。育休後復帰の難しさについて」という記事で、フェイスブック1000近くシェアされています。(文:篠原みつき

育休取ろうとしたら異動に減給、よくわからない部署で整理整頓することに

ブログ筆者のパバンダさんは、11か月と2歳の子どもを持つ父親。奥さんが病気のためサポートをかねて育休を取得しました。しかし、育休に入る前から雲行きが怪しくなっていたようです。

「引継ぎを受けた社員が独り立ちするため」という意味不明の理由で異動となり、

「育休前までのたった1ヶ月の間、よくわからない部署で、整理整頓したり掃除したり、また整理整頓したり掃除したり……という毎日を過ごしていました」

といいます。ついでに給料も下げられ、「あれ?これって、辞めさせたいだけ??」と疑心暗鬼に。

それでも1年間の育児休暇を取った後、復帰予定の3か月前に上司に連絡をとると、なんと「復帰する部署がない」という事態に。人事に問い合わせても、「定員いっぱいです」とつれない返答。今から調整するとのことでしたが、1週間待っても連絡は無く放置状態でした。

証拠を残すためメールで連絡していたところ、しまいには人事部長に「電話でアポイントをとってから復職のあいさつをしろ」と逆ギレされます。しかしこれは言いがかりのようなもの。「男性で育児休業を取った者のたらい回しの刑です。さすがにないだろうと思っていたのに、この仕打ちです」と嘆くパパンダさんは、不信感を募らせ退職を決意しました。

一カ月の育休で復帰したら「しっかり休めた?」

彼は「めっちゃスッキリしたあああ!!!」とふっ切れた様子で前向きな気持ちを表明していましたが、はた目からは何とも後味の悪い結果です。はてなブックマークにはこんな嘆きのコメントがありました。

「俺なんて育児サポートで定時に帰ってただけで退職するハメになったからな。日本社会は終わってるよ」
氷山の一角。こういう少子化を加速させる会社が滅びるのと、少子化で日本が滅びるのと、どちらが良いのか政治家は腹をくくらないといけないタイミング
「一ヶ月の育休復帰してきた先輩(男)が別の男の年配の先輩に、『しっかり休めた?』と悪気なく聞かれていて、日本社会の後進っぷりを感じた」

会社には行かなくても育児に忙殺されて「休んで」いるわけではないのに、あまりの無理解ぶりに悲しくなります。

訴えなくて良かったのか「私なら労基に直行です」

一方で、「社名を公表しては」「私なら労基に直行です」など、もっと権利を主張して戦っても良かったのではという声もありました。「育児・介護休業法」第10条では、育児休業の申し出や取得を理由にした不利益な扱いを禁止しています。

また、コメントには「この仕打ちに全国の女性は戦ってるのか…」という声もありました。女性である筆者からしてみると、女性ですら取りづらい育児休業を男性で1年も取った事自体は尊敬します。

パパンダさんが15日に更新した記事によると、今回の件について、労働局の雇用環境均等室に相談。会社に行政指導が入ることになったといいます。今後、多様な人材を生かしきれない会社は淘汰されていくかもしれませんが、多くの人が安心して育休を取れるようになるまでには、まだまだ「戦う」必要があるのでしょう。

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