『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は、アメリカ育ちの彼女が少女時代冬休みの思い出を語る。

* * *

今回は、アメリカの「Winter Break冬休み)」について語りたいと思います。日本の学校は、だいたいクリスマス前後からお休みに入るようですが、アメリカでは12月20日前後には冬休みが始まります。

会社勤めの人もクリスマスから休暇を取るので、日本のように年末まで出勤するのって働きすぎな気がしちゃいますね。ただ、アメリカの会社は1月2日から業務が始まるところも多いし、学校も4日くらいから始まるので、決して冬休みが長いわけではないんですが。

一般的にアメリカでは、クリスマスは家族と過ごし、年越しは友達と迎えるという人が多いです。日本ではクリスマスを恋人と過ごし、お正月は実家に帰省する人が多いので真逆ですね。

さて、アメリカの学校に通っていた頃は、冬休みの初日に開催される「ホリデーマーケット」が何よりの楽しみでした。この日は、生徒の保護者や近所のおばさんたちが学校でお店を出すんです。手作りぬいぐるみなんかも売っていたと思うんですが、メインお菓子お母さんたちが手作りしたパイやブラウニーが並びます。

アメリカお母さんたちって、お菓子作りに異様に力を入れるんですよね。日本でも、市販のお菓子パッケージお菓子を作る外国人おばさんが描かれたものがありますが、ああいう世界を想像してください。アメリカの家庭においては、おいしいお菓子を作れることは“よき主婦”である象徴なんです。

ホリデーマーケットは、その腕前を披露する年に一度の大舞台ですから、その力の入れようといったらすごいですよ(笑)バターや砂糖をこれでもかと投入した、ものすごく贅沢(ぜいたく)でこってりとしたお菓子ばかりです。

今だったら、栄養価的に怖くて絶対に手を出さないと思うんですが、日本人の母を持つ私はこういう手作りの洋菓子を家で食べる機会が少なかったので、大喜びで食べていました。

普段は勉強をするための学校もキレイに飾りつけされ、近所の人もたくさん来るので、すごく非日常感がありました。この日からクリスマス、年末年始までは楽しい楽しい日が続くんです。

ちなみに、私の住んでいた地域はリベラルな空気があったので、クリスマスの日にも「Merry Christmas」とは挨拶しませんでした。アメリカは多民族・多宗教の国。ユダヤ教のお家ではこの時期に「ハヌカ」というお祝い事をし、アフリカアメリカ人の一部は「クワンザ」という歴史的には新しい行事を行なっています。それらをまとめて、年末の時期には「Happy Holidays」と挨拶をしていたんです。ニューヨークなどでは、今やこの挨拶が当たり前になっているようですね。

ちなみに、私はクリスマスが終わると、毎年、母方の実家のある岐阜に行っていました。暖房設備が整ったデトロイトで育った私にとって、日本の家屋は寒かったです……。おばあちゃんはちょっと外に出るときにもストーブを切ってしまうし、廊下に一歩出れば外と変わらないくらいの温度。「日本の冬は過酷だな」と思いながら、震えて過ごしていました(笑)

●市川紗椰(いちかわ・さや)









1987年2月14日生まれ。アメリカと日本のハーフモデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める。母親の誕生日が元日のため、毎年、元日は母親を祝う日になっている

市川紗椰が思い出すアメリカでの冬休み。「メリークリスマス」とは言わなかった理由とは…?