受託型の仕事はクライアントの意向に沿いながら回っていくが、雑な注文をされて現場が困惑することもある。あるアニメーション監督が2月7日クライアントとのやりとりツイートして話題を呼んでいる。

「最近の仕事の打ち合わせでクライアントから『君の名は。みたいな感じで』という文言が必ずでる。うんざりしてる。じゃあ新海さんにたのめよ!」

投稿者は「ヒット作に乗っかりたい企業多すぎる気がする」と指摘。その日のクライアントには「それなら新海さんにお願いしたほうがいいですね」と伝えたという。相手は絶句していたというが、「一応、新海さんの仕事を手伝ったA社を紹介して電話を切った」と書いている。

似たような話は他の業界でも 昔の音楽業界では「宇多田ヒカルみたいな感じで」

たしかに、クリエイターそれぞれに個性があるのに、「最近話題の○○みたいに」と言われるのは心外だろう。ヒット作と似たような作品にしておけばそれでOKというクライアント側も浅はかだ。

この投稿は、トゥギャッターでもまとめられた。ツイッターはてなブックマークでは、投稿者に賛同する声も多い。

オリジナリティに命賭けてる業界なんだから、模倣を指示されたらキレるということでしょう」
「佐野氏の騒動のような事があってクリエイター著作権や盗作認定にピリピリしてるだろうに、クライアントに似たようなもの作ってと安易に言われるのは嫌だろう」

実際、このようなことはアニメ業界に限った話でもないらしい。他業種でも起こっている「クライアントあるある」のようだ。

「IT業界でもある。相手はプロではないので共通認識もないし有名なもので例えてくるのは当たり前の話だけども」
「昔、宇多田ヒカルAutomaticがヒットした頃にこういう話が沢山あったみたい。『宇多田ヒカルみたいな~』って」
ゲーム系だともうちょっと具体的ですね『FGOみたいのを』『1/2の製作費で』『半年で』って指示が出ますモノ」

一番困るのは「イメージわかないからとりあえず作って」

一方、アニメーターツイートに疑問を抱く人もいる。クライアントは専門家ではなく、あくまでも雰囲気でしか指示することができない。なので、そこは受注側がくみ取ってあげなければいけない、というのだ。

「目的とする雰囲気を説明しただけと違うの? 美容院行って『上戸彩みたいにして!』とか言ったら『じゃあ上戸彩スタイリストに頼んでください』って言うかね」
「『~みたいな』というのは、相手に『具体化する知識や能力がない証拠』だし、普通の商売なら『専門家』である自分側が『~みたい』を『それは○○という事ですか?』みたいに解析していくシーンだと思うんだよね」

ただ、やはりそれでもクライアントは説明不足を指摘する人いる。「君の名は。」のようにしたいのなら、ストーリーや作画など、同作のどの部分を意識してほしいのかもう少し説明するべき、というのだ。

また、「他人の頭の中なんて分かる訳ないんだから具体的に言わなきゃいけないのは依頼する側の方」と訴える人もいた。誰だって、仕事は極力円滑に進めたい。受注側と思われる人は以下のようにツイートしていた。

「方向性としてどういうのが好みか分かるだけ逆にありがたいけどなあ。一番困るのは『イメージわかないからとりあえず作って』だ」

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