面接で「恋人はいますか」といった質問をしてくる企業はその時点で辞退した方がいいのではないかというツイート2月20日に投稿され、話題になっている。投稿者は、ハローワークで相談したときに、

「面接における『恋人いる?』系の質問は立派なセクハラであり、今後会社に入るかどうかもまだ分からないたかが数分の知り合いに突っ込んだプライベートを聞いてくる会社は100%クロだからそれを聞いた時点で辞退を考えなさい」

と真顔で言われたという。

「恋人いません」と答えたら「うちは暗い人間はいらない」と返された

「恋人はいますか」「業務に関係ありますか」

ネット上では、「恋人の有無で採用・不採用決められるのか…って引くかなぁ…」と賛同の声が多数上がっているが、実際に恋人の有無を聞かれたことがあるという人も少なくないようだ。

「不動産会社で面接受けた時聞かれ『いませんね?』って答えたらその場にいた採用担当3人に『ああ……(フフッ)』みたいに失笑された。怒りとか殺意とか通り越して『死のうかな』って思いました」

面接で「恋人がいない」と答えたら、説教まがいの返答をされたという人もいた。「恋人がいってことは心が豊かになることだよ?」(脱字ママ)「うちは暗い人間はいらない」「コミュニケーションって大事だと思わないの?」と矢継ぎ早に言われ、「マジで殺意が限界突破した」と書いている。

このツイートからは、面接官が「恋人がいる人は心が豊か」「恋人がいる人は明るくコミュニケーション能力もある」と考えていることがわかる。しかし恋人がいるかどうかで人間性を判断することは難しいのではないか。

独身の方が「意義ある仕事に価値を見出しやすい」

一方で、恋人の有無や結婚の予定を女性に聞くのは、すぐに辞められたら困るからなのではないかと面接官を擁護する人もいた。

「恋人の有無や結婚予定を聞くのは、せっかく採用しても結婚してすぐやめられても困るから聞いてるってだれかからきいたがちがうのか?」
「女性応募者に対する『恋人いる?』は面接時に聞いても悪くないとは思ってる。折角時間も人もお金も掛けて折角採用した女性が結婚や妊娠を機に辞めるってパテーンを会社は避けたいだろうし」

確かにせっかく採用した女性が入社してすぐに結婚や出産を機に退職してしまっては困るのだろう。人員に余裕がない。中小企業ならなおさらだ。しかし女性のみに結婚や出産の予定について聞くのは男女雇用機会均等法に抵触する可能性がある。そもそも、結婚や出産で辞めざるを得ない職場に問題があるだろう。

一方、男性の場合は結婚していた方が都合がいい、と考える企業もあ。

「結婚予定の質問意図は、男性には『家族を人質にできる?』で、女性には『妊娠などを理由にやめない?』という感じみたいですね」

男性なら、結婚していると家族のためにもそう簡単には辞めないと思われるということだろう。

しかし、恋人がいない人にメリットが全くないかというと、そうでもない。逆に「非モテ」の方が優秀な社員になる可能性もある。

MEN'S+の記事によると、カリフォルニア大学のベラ・デパウロ博士の研究によって、「既婚者よりも独身者のほうが意義ある仕事に価値を見出しやすく、家族や友人、同僚、隣人との結びつきも強い」ということが明らかになったという。

仕事に打ち込んで周囲とも強く結びつくというのは企業にとっても魅力的だ。安定してまったりとした仕事ならともかく、チャレンジが要求されるような高度な仕事は独身者の方がいい、ということだろうか。職場に必要なのはむしろ「非モテ」なのかもしれない。

あわせて読みたい:面接での「あなたをモノにたとえると?」は茶番でしかない