3月に入って気温も上昇し、ますます旅行シーズンとなっていくこの時期。しかしはてな匿名ダイアリーに2日、「旅行至上主義者ばっかりだ」という投稿が寄せられ、話題となっている。

暇になると旅行しか選択肢がないの? 「長期休み?旅行いけるね!」

投稿者は、旅行が好きではない。移動時間が長くて疲れることや、現地に着いても結局観光ガイドの確認作業をするだけで面白くないこと、また、お金がかかることが嫌だという。しかし周囲の旅行好きは自分だけでなく「人類皆旅行好き」と思っている人が多いそうだ。

「旅行至上主義者」たちはことあるごとにこう話しかけてくるという。

「疲れてるの!? 旅行いったら!?」
「長期の休みとれるの!? 旅行いけるね」
「次の休み私はパリ行くけど、あなたはどこ行くの!?」
「休み合わせて旅行いこうよ!」

これらの言葉に投稿者は「お前らは暇になったら旅行するしか選択肢がないのか」と呆れている。

「他の趣味なら、相手の趣味を確認せずに話始めることなんてないのに、旅行に限ってはどうしてそうなっちゃうんだ?」

相手の趣味に「旅行はつまらないと思う」というのも憚られるし、「お金ないから」というのも僻んでいるように取られかねない。どう対応すれば穏便に旅行の話を避けられるのだろうかと嘆く。

旅行は自己啓発であるかのように「凄い価値のものとして語る人が面倒」

この投稿に関して、はてなブックマークでは共感の声が寄せられた。中には、

「自分は海外旅行とかまったく興味ないんだけど、それを凄い価値のものとして語る人が多くてめんどくさい」

という人もいる。確かに、海外に行くのに「見聞を広げるため」などと大義名分を立てたり、旅行をある種の自己啓発のように考える人もいたりする。このことから一種のマウンティング行為と感じて「旅行至上主義者」を敬遠する人も少なくはない。

ただ、「旅行話」を天気やニュースと同じような「無難な雑談ネタ」と思っている人もいるようで、対処法として次のように書き込んでいる。

「旅行もいいんですけど○○したいんですよね~って相手を否定することなく自分の話に持っていくのがいいんじゃないの」

一方で、投稿者に対して批判的な意見も見られた。旅行は「リア充」代表格の趣味であるため、投稿者がそれを妬んでいるのでいて「行きたくても行けないから、それができる人間の話を聞くと不愉快になるのだろう」という。皮肉なことに、旅行が嫌いな投稿者に対して、旅行の提案をする人もいた。

「そんなあなたに温泉旅行をどうぞ 人混みに酔わず、飲みながらしっぽり
「『観光ガイドの確認作業をするだけでなにも面白くない』なら車かバイクでドライブやツーリングはどうだ?」

この状況に投稿者は、追記せずにはいられなかったのだろう。「ご好意からのコメント、とてもありがたく読んでいます」と述べた上で、

「旅行に魅力を感じたい、好きになりたいとは一切書いていないのに、『こういう旅行は?』という提案が集まりまくっている。『マジで旅行至上主義者ばっかりかよ』と思ってしまいました」

と記した。

この「至上主義者」は、旅行だけに限らない。例えば「犬猫」「アウトドア」「映画」「恋愛」「ディズニーランド」など。お互いが好きだという前提で話してくるこの「○○至上主義」に辟易している人は多い。しかしマイノリティーたちは、多数の人が好意的に思う趣味に関して「スルーするしかない」と考えているようだ。

投稿者はキッパリとこう語っていた。

「旅行の話を強要しないでくれ、旅行に行くのが当然という価値観を押し付けないでくれ」