3月31日総務省統計局が発表した「家計調査(2人以上世帯)」によると、1世帯当たりの消費支出は月26万644円で、前年の同月調査より3.8%減少しています。一部では景気は回復傾向とも聞きますが、ネット上には「貧乏で辛い」と書き込む人が後を絶ちません。

4月初めにも、ガールズちゃんねる「共働きでも貧乏な人」というトピックを立てた女性がいます。夫に借金があり、「毎月食べていくのに必死」で、家賃、光熱費は1ヶ月滞納が当たり前、ひどい時は水道まで止まるといいます。まったくお金が残らないため、

「もちろん貯金なし。保険にも入ってないです。子供いるけど誕生日すらなにもしてやれなかった…本当に子供に申し訳ない」

と嘆き、「共働きでもここまで貧乏な家庭ってありますか?」と問いかけていました。(文:篠原みつき)

「うちも貧乏!むしろ貧乏だから共働き!!」「なぜ子どもを作った?」と批判も

トピ主は、「共働きでも」といいますが、それはすでに現役世代の常識です。厚生労働省の資料で「専業主婦世帯と共働き世帯の推移」を見ると、2014年には共働きが1114万世帯にのぼり、専業主婦世帯は687万世帯と、差は大きく開き続けています。

レスには「うちも貧乏!むしろ貧乏だから共働き!!」という声や、「うちもそんな感じ。トピ主さんほどでは無いけど毎月ギリギリで生活してる」などの声が次々に上がりました。筆者の家計もそうですが、借金まではなくとも生活に余裕がない人は本当に多いようで、消費も減るのが道理です。

また、こうしたトピックにありがちなことに、こんな批判も数多く出ています。

「どうして、借金返済が終わってから子供を作らなかったんですか?」
「ごめん引く。子供かわいそう」「お金が無い人が無責任にペットを飼うことを、どう思う?子供ってペットと比べるまでもなく、もっと大切な存在じゃないの?」

「うちも貧乏、だから子供は諦めた」という声も。ただこの場合、すでにこの世に生まれているものを咎め立てて何になるでしょう。トピ主の借金は夫が独身時代につくったもので、結婚後に発覚したというから気の毒な話です。

「生き抜いて行こう。子供を幸せにしてあげるために出来ることは何でもしよう」

一方で、「子どもの誕生日」に関しては、「お金をかけられなくても何か特別な事はしてあげた方がいいですよ」と諭す声が多く、筆者も全面的に同感です。折り紙、おかずを1品増やす、100均でも中古のおもちゃでもホットケーキでも……などなど。「うちも実家が共働きでも貧乏だった」という人は、自分の経験を語ります。

「でも誕生日やクリスマスは小さなケーキや安いプレゼントも準備してくれたことが嬉しかったし、よく覚えている。子どものためには安くてもいいから何かしてあげてほしい。一生、心に残るよ」

トピ主は借金がつらい状況を、誰かと分かち合いたくて投稿したのだと思います。水道まで止まるようでは心の余裕を失い、「子どもにも何もできない」と追い詰められるのも無理はありません。しかし、子どもが「苦しい中でも自分は大切にされている」と思えることは重要です。レスには、似たような状況の人たちから、こんな声が寄せられています。

「お互い母子家庭育ちで奨学金を返済中。(中略)でも苦労しても家族みんな楽しく幸せだったらいいやって思っています!」
「主さん元気出して。うちも同じだよ。働いても働いても貯金ゼロ。(中略)旅行にも連れてってあげられないけどお金のかからないことで子供を楽しませるように頑張ってる。贅沢できないけど子供がいて幸せだよね」

夫も自分も趣味を一切やめて、子供の誕生日を祝ってあげているという人は、

「主さん。キツイ意見もあるけど、そしてウチとは借金額が違うかもしれないけど。生き抜いて行こう。子供を幸せにしてあげるために出来ることは何でもしよう」

と書き込んでいます。逆に子どもがいることを励みにして、日々頑張っているのだと共感します。子育て中の共働きとはそういうものかもしれません。