理系のみなさんは、早い段階からなりたい職種をしっかり決めているという人も少なくないと思います。研究職は理系のみなさんには人気の職種の1つですね。志望動機を書く際は、研究職に求められるものはなにかをしっかりと把握してから取り組む必要があります。
そこで今回は、研究職を志望する場合の志望動機の書き方を解説します。


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1.研究職とはどんなことをする職種?

「研究」を、真実の解明を目指すことや、新たな可能性を探求するという意味で捉えれば、研究職は仕事というよりも学問的なイメージが強くなります。しかし、実際はもっと実用的な研究がほとんどです。

このミスマッチを避けるために、研究職については、「ソリューションの提供」「革新的な製品の開発」「新たな素材の合成」など、提供や開発といった「成果の求められる職」というイメージで捉えましょう。

2.志望動機を書くにあたっては、「何」の研究がしたいかを明確にする

採用における研究職というキーワードについて少し調べてみましょう。

ある製薬会社は、研究職を「製剤開発」「基礎研究」「分析」とわけて募集しています。ある食品メーカーの場合は、「発酵の基礎研究に携わる研究職」と指定して募集しています。

つまり、研究職に応募するにあたっては、「何」を研究したいかを絞り込む必要があり、志望動機ではこの点を明確にする必要があります。

3.研究職の志望動機例

研究職の志望動機例を以下に紹介します。

「貴社を志望する理由は、現在の研究活動を通して得た知見やスキルを活かし、貴社の家電製品の『イノベーション』を実現したいからです。このイノベーションを通して、社会の発展や人々の生活向上に寄与することを志しています。

私の強みは、『市場ニーズの調査・分析⇒新製品の要件定義⇒設計⇒試作品の開発⇒試験・評価⇒改善』というサイクルを経験していることです。加えて、この一連のサイクルを常に意識し、計画と期限意識をもって取り組む姿勢が身についていることです。

現在の新製品の開発においては、性能向上と同時に、部品数の削減などによる低価格化という相反することを実現しなくてはなりません。この実現において、特に設計から試作品開発の工程で得た経験を活かせると考えています」

研究職の志望動機まとめ

専門的な知識は他の応募者も持っていますので、これだけでは差別化できません。よって、いかなる成果を残したか、その成果に至るまでの道筋を見通して取り組める姿勢をもっていることをアピールしましょう。

(前述の事例では、「私の強みは、『市場ニーズの調査・分析⇒新製品の要件定義⇒設計⇒試作品の開発⇒試験・評価⇒改善』というサイクルを経験していることです。加えて、この一連のサイクルを常に意識し、計画と期限意識をもって取り組む姿勢が身についていることです」という部分を通してアピールできています)

企業は、期限内に成果をあげる(残す)ことを求めます。期限内に成果の残せる可能性が高い人材という印象を、読み手に与えることを意識して研究職の志望動機を作成しましょう。

文・岡 茂信 (おかしげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に「就職活動がまるごと分かる本」「エントリーシート完全突破塾」「適職へ導く自己分析」がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」( http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。