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【簡単に説明すると】
ニコニコ生放送配信者、横山緑の初公判
・美顔器メーカーに対する名誉毀損
・無罪を主張 判決は6月28日

インターネット配信者の横山緑(芸名)が美顔器メーカーに対して名誉毀損したとして刑事訴訟を起こされた。その初公判が6月1日の10時から行われた。

公判には50人以上もの傍聴者が集まるなど前代未聞の公判となった。実際に傍聴できるのは33人で抽選となり、抽選漏れが出るほどだ。

10時に開廷し、被告人である横山緑はスーツ姿に茶髪、風邪用のマスク姿でうつむきながら座っていた。裁判官に中央に立つように言われ、名前や職業、生年月日、本籍を聞かれる場面があり、その中で「職業はインターネットコメディアン」と回答。この際傍聴席から少し笑いが起こった。
検察は「被告の月の収入はリスナーから入る30万円と、それと別に番組出演料など副収入があり。暗黒放送は平成21年頃から配信が行われており、配信者は黒色のプロレスマスクを被っている」とした。

・美顔器メーカーに名誉毀損

検察側は美顔器メーカー、B社に対して名誉毀損と主張。その名誉毀損とはネット生放送配信サイト『ニコニコ生放送』にて横山緑が購入した美顔器に陰毛が混入していたと発言。これが名誉毀損に当たるとしている。
しかし被告である横山緑側は実際に陰毛が入っていたとしており、無罪を主張。また陰毛は1回だけでなく2回入っており、1回目は美顔器が壊れていたという。

論点は陰毛が入っていたかどうかだけでなく、それを配信で広めたことが問題で配信中に美顔器メーカーに電話を掛けたことだという。しかし横山緑はメーカーにクレームを言ったわけでなく、「貴社の発展とを願って」と改善を要求したという。

検察によるとこの放送は1万1360人が閲覧していると主張。しかし実際は1万1360という数字は延べで、同時に1万1360人が閲覧しているわけでない。

・法廷でニコニコ生放送が流れる

本法廷では実際に『ニコニコ生放送』の暗黒放送の映像を見る場面があり、録画された映像がテレビに映され「どーもー、暗黒放送の~」と流れた。約9分間の暗黒放送の映像ではメーカーに電話する場面もあった。

・陰毛は実際にあったのか?

「陰毛が混入していた証拠は無いが実際に入っていた」、そう被告は主張。陰毛が入っていたのを目撃したのは元奥さんと被告のみ。
検察からの「何故捨てた」という質問に対して「汚いからです」と答え、また「放送で陰毛を映すとアカウントが停止されるから」と発言。
ただ、メーカーによると製造過程で陰毛が入らないことは確認済み。メーカーの社長も「そのようなクレームは過去にきたことがない」としている。

・裁判官「企業の不利益は考えなかったのか?」

最後に裁判官から「陰毛が入っていることを放送しリスナーにどのような利益があるのか?」という質問に対して「昨今ハンバーガーとかに混入しているので
……」と回答。
更に裁判官は「企業が出している商品におおやけにされると不利益になると思わなかった?」と聞かれると「そのときは何も思わなかった、自分の知能が足りなくて」とし、非を認めるような発言も見られた。

検察は横山緑被告に罰金20万円を求刑。次回の6月28日の公判で判決を言い渡すという。次回の公判は6月28日11時15分から。

今回の公判には関係ないが、被告が過去にアダルトビデオを制作していたことなども触れられた。

・裁判所前で大揉め

法廷後に裁判所前で香港のメディアと横山緑が争う場面があった。素顔の横山緑に対して香港のメディアがビデオカメラを向けて無断で撮影。それに対して横山緑は激怒。

・法廷芸人も注目

大川興業の法廷芸人、阿曽山大噴火も今回の法廷に注目しており傍聴。抽選には外れたが共同通信の記者から当選券を譲ってもらい傍聴したという。今回の法廷についてCBCのラジオ『北野誠のズバリ』にて早速ネタにしており、横山緑の名前は出していないものの、法廷の流れを説明。阿蘇山大噴火は被告を「ガラが悪いキャラクターで

異物混入での訴訟は異例

異物混入に関しては食品メーカーでも数々起きているがメーカーが消費者に対して訴訟を起こすのは異例である。
過去に『ペヤング』や『マクドナルド』などでも異物混入があったが、それは証拠の写真があったがために謝罪、商品回収という騒ぎになった。
しかし証拠がなければ消費者を相手に訴えることもある。
今回の判決次第では、異物混入名誉毀損に関して1つの大きな判例が出来てしまうかもしれない。

実名報道されておらず本名で名が通っていないため、本記事では芸名での記載とします。
※イラスト:ニコイズム、野田草履