ホテル、旅行、エステなどなど、サービス業界は多岐に渡ります。志望動機を書く際に、どのように書けばいいか悩んでしまうという人も多いでしょう。そこで今回は、サービス業界を志望する場合の、志望動機の書き方を解説します。サービス業界を志望するにあたっては、「サービスとはなにか?」という本質を掘り下げたうえで志望動機を作成することが大切です。

自己PRに使える長所・短所診断! 就活に役立つアドバイスつき

1.サービス業界の特徴

サービス業界の裾野は広く、事業内容は多岐にわたります。そこで、自分が目指す事業内容を、まず明確にしましょう。

『サービス業界に属する事業内容』
不動産、ホテル・旅行、フィットネスクラブ・エステ・美容、人材、教育、コンサルティング、自治体……など

2.サービスとは何か?

メーカー業界であるならば、「作る」という共通項を簡単に見出すことができます。では、不動産やフィットネスクラブ、教育などを含むサービス業界の共通項はなんでしょうか?

そこで、サービスの意味を確認してみましょう。サービスとは、他者(人や企業)に、何か『役立つもの、希望を満たすもの、不足を補うものを提供する』ことです。その何かとは、「アドバイスなどの有益な情報、居心地の良い空間や時間、安全・安心、スキル」などです。

これらの提供にあたって大切なのは、お客様の心を満たそうとする奉仕・貢献の心が伴っていることと、極力、一人ひとりのお客様に応じたものを提供しようと努力することです。この点が、同じ規格のものを大量に生産して、お客様に便利さや満足を提供するメーカーとの違いです。

3.サービスを提供する側に求められる資質

一人ひとりのお客様の要望を満たすことが目標の事業ですので、サービス業界を志望するにあたっては、以下のことが必要になります。

・お客様の要望を傾聴する姿勢や当事者意識
・お客様を満足させられる豊富な情報量や高度なスキル
・情報を蓄えよう、スキルを磨こうと継続的に努力する姿勢
・お客様を尊重し、奉仕するという心
・お客様の信頼を勝ち取るための遵法姿勢

このようなことから、サービス業では、「人間力」が非常に重要な要素であることがわかります。

4.サービス業界の志望動機例

サービス業界の志望動機例を以下に紹介します。

「どこに住む、どのような空間に住むかは、自分らしくありたいというライフスタイルを築いたり、継続させたりするうえで、とても重要な要素だと考えます。(※1)私は、お客様が求めるライフスタイルの実現を応援することを目標として、不動産業界を志望しています。(※2)
この目標を実現するためには、お客様がイメージされていることに耳を傾ける姿勢が必要と考えます。また、物件とその周辺に関する正確な情報を蓄え、正直に提供し、ご納得頂くことも大切だと考えます。(※3)
入社後は、担当する地域の隅々まで自分で歩き情報を集め、お客様が新生活をよりスムーズにスタートできるように、コミュニティの情報も提供できるよう努力したいと考えています(※4)」
志望動機例は、4つの要素で構成されています。

※1:サービス業界の中で自分が選んだ事業内容(この場合は不動産)に対する認識や魅力を感じている点を、自分なりの言葉で表現する。
※2:就職後に仕事を通して実現したいビジョン。
※3:※2で示したビジョンを実現するために必要なこと。もしくは、仕事をするにあたって大切なこと。(サービス業界は、人が最大の財産であることを踏まえ、『姿勢』について触れてみましょう)
※4:「※2と※3」を実現させるために、自分が努力や勉強しようと考えていること。

■サービス業界の志望動機の書き方まとめ

サービス業界は、顧客を最大限満足させるためのあくなき努力が求められる仕事です。サービス業界の特色を理解し、まずは志望する職種に求められるものと適性を考え抜いて志望動機を作成するようにしましょう。

文・岡 茂信 (おかしげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に「就職活動がまるごと分かる本」「エントリーシート完全突破塾」「適職へ導く自己分析」がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」( http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。