暑い日に缶ビールをゴクゴク飲んで「プハーッ!最高!」などと言っていたら子どもに「ねえ、ビールってどんな味?」と聞かれた。「苦くて、炭酸が入ってシュワシュワしている」と答えると「なんで苦いのに飲むの?」と言う。「大人になればわかるよ」と返しつつ、ふと我に返って「なんでこんな苦いもの飲んでいるんだろう」と思った。味で比べれば絶対にコーラの方が美味しいのは確かなのに、である。
そんなことを思いながら「教えて!goo」を見ていると、「ブラックコーヒーってほんとに飲んでいて美味しいって思うの?」という質問が寄せられていた。なんとも素朴で、しかし奥深い疑問である。真っ黒で苦い液体。子どもなら苦行としか感じないであろうあの味をなぜ我々は求めるのか。
■味覚の変化がカギを握る?
まずは「ブラックコーヒーは美味しい!」、という意見を見ていきたい。
「嫌いな人が居てもおかしくないですが、私は美味いと思います。缶コーヒーは論外ですが」(Epsilon03さん)
「美味しいのはホントに美味しい駄目な奴は不味いだけ」(trajaaさん)
「苦みと酸味と甘みと香りのバランスを楽しむものです。それを理解できないような不味いコーヒーばかり飲んでいると分からなくて当然です」(銀鱗さん)
こうしてみると、条件つきというか、ひとくくりにブラックコーヒーと言ってもマズいものはマズいようだ。ちなみに筆者もコーヒーを飲むならブラックで飲みたい派だが、銘柄にこだわりは一切なく、苦ければ何でもいいというバカ舌である。
「コーヒーは香りも楽しみたいので、余計な物はなるべく入れない、派」(oshiete_bitteさん)
という意見からも分かる通り、美味しくて香り高いコーヒーであれば余分なものなど不要なのかもしれない。
一方でこんな意見もある。
「どちらかと言うと依存的なものじゃないでしょうか」(キャビンMさん)
「美味しいって言ってる人は錯覚じゃないかなぁ? しょっちゅう飲んでいるけど。眠気覚ましのために」(norosukeさん)
上記の意見は、苦味が依存的に作用したり、苦いからこそ眠気覚ましに効果があるという意味で必要とされるのではないかという見解だ。
確かに、苦い薬ほど良く効く気がするように、あの苦味で頭がシャキッとするような気になる。
「舌の苦みを感じる点が若い時は多いので苦みが勝って美味しく感じない。年を取るとそれが減ってうま味を感じる、というのを聞いたことがあります」(ノムリンさん)
大人になるにつれ味覚が変化することで苦味が許容できるようになるというのは間違いなさそうだ。子どもにとって苦味は、その食べ物が“毒”であることを知らせるシグナルとして機能するという話もある。苦い=食べちゃいけないもの、ということだ。
そう考えると苦いブラックコーヒーやビールを美味しい!と感じるのはますます不思議なことに思えてくる。子どもには「大人になればわかるよ」と言ったが、なんでこんな味が好きなのか、大人もはっきりとは分からないのだ。
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)
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