プレミアムフライデーも本日6月30日で4回目。官民協力でPRし、鳴り物入りでスタートしたがネットでは今回も相変わらず、

「月末締め日でクソ忙しいってのになーにがプレミアムフライデーだ」
「今日はプレミアムフライデーですが、死語になりつつありますね」

プレミアムフライデーを揶揄する投稿が相次いでいる。しかし、当の経済産業省は、「徐々に浸透している」と依然前向きだ。

「導入は人手不足の中で学生を集めるための有効なアピール」

同省流通政策課の担当者は、キャリコネニュースの取材に対して、「取り組む企業は530社以上に上っている」と自信をのぞかせた。

「取り組む企業は着実に増加しており、現在は530社を超えています。しかし外部に発信していないだけで、実際にはもっと多くの企業が取り組んでいるはずです」

プレミアムフライデーの実施を求人広告でアピールする企業も増えている。

「転職サイトや就活サイトには、プレミアムフライデー導入を謳った求人広告が増えました。最近の学生はワークライフバランスへの意識が高いですから、人手不足の中で人を集めるためには、こうしたアピールが欠かせません。特に中小企業にとっては、お金を掛けずに学生にアピールすることができます。福利厚生では中々大企業に敵いませんが、これならやると決めればすぐに実行できますからね」

さらに今秋には、罰則付きの残業時間規制が成立する見込みとなっており、プレミアムフライデーの重要性が益々高まっていくことが予想されるという。

「早帰りできなくても『豊かな時間』を過ごすことはできます」

今月22日にはプレミアムフライデー推進協議会による意識調査結果が発表された。この調査では、質問文に「いつもより早く帰った(退社した)かどうかに関わらず」という文言が挿入されており、ネットで話題に。早く帰るという当初の目的はどこへ行ったのかという批判が相次いでいた。

しかし経産省としては「プレミアムフライデーの元々の目的は消費喚起」だから問題ないのだという。

「元々は消費喚起が目的でした。そこに経団連15時に退社するということを提案したんです。早く帰れるならそれに越したことはありませんが、早帰りできなくても『豊かな時間』を過ごすことはできます。現に4割の人がいつもとは違う過ごし方ができています」(経産省の担当者)

たとえ早帰りできなくても、個人消費が伸びている以上、当初の目的に適っている、ということのようだ。しかし同調査によると、プレミアムフライデーの過ごし方で最も多かったのは「家でゆっくり過ごした」だった。それでは結局、消費につながらないのではないか。

「家で過ごすだけでも、レンタルビデオ業界は儲かっていますし、ビール業界も儲かっていると聞いています。個人消費は確実に伸びていますよ」(同上)

2016年度は2億円の予算を計上し、PRやイベント開催の費用に充てていた。しかし今年度は予算を要求していないという。

「本来は民間が自主的にやっていくものですから、今年度は予算を要求していません。現在は博報堂がスポンサーから募ったお金でPRを行っています。世間では『お金がないから消費できない』という声もありますが、消費は確実に伸びており、プレミアムフライデーの推進が利益に結び付く企業も多いのです。そうした企業がスポンサーになっています」

と担当者は語っていた。今日6月30日にも、国立近代美術館千代田区)で経営者を集めてプレミアムフライデーへの参加を呼び掛けるイベントが開催された。今後も同様のイベントやシンポジウムの開催によって普及を図るという。