
「スパニッシュ・アパートメント」「PARIS(パリ)」のセドリック・クラピッシュ監督最新作「フランス、幸せのメソッド」が、TSUTAYAだけで6月15日(金)よりレンタル開始となる。セドリック・クラピッシュ監督が描く幸せのかたちとは? 本作を“アンチ・プリティ・ウーマン”映画と唱えたクラピッシュ監督にインタビューを行った。
「フランス、幸せのメソッド」の主人公はシングルマザーのフランス。長年勤務していた工場が倒産、失業したショックで自殺未遂を起こしてしまうが、周りの人たちに支えられながら奮起してパリで仕事を探すことに。そこで、金融取引のトップトレーダーのスティーブと出会い、家政婦として雇われることになるが――。
本作を作ったきっかけを「現在の世界情勢にある」とコメントしたクラピッシュ監督。「今回はなぜだか分からないが、何か社会的なことにフォーカスする必要があると思ったんだ。今すごい速さで移り変わっているこの社会情勢についてね」。
また、「今、人類は大きな分岐点に立っていると感じて、それを表現すべきだと思った」とも語る。急速に変化する現代社会に注目し、「この作品の脚本を書いている時、“金持ちと貧乏”の対比ではなく、むしろ“バーチャルとリアル”の対比を描こうとしたんだ」。
本作を「幻想を抜きにしたエンターテイメント」だと位置づけるクラピッシュ監督は、「映画のストーリーは、シンデレラのように“床掃除をして最後にはお姫様になる”というような展開を参考に構成されているが、私はこういった展開に“No!”と異議を唱えたかったんだ! 申し訳ないけれど、実際はそんなんじゃないんだよ! だからこれはある意味、『アンチ・プリティ・ウーマン』映画なんだ」と、だだ観客を楽しませるロマコメの雰囲気を避けたかったとも語っている。
さらにラストシーンについて「これは現代社会の状況を表していると思う」と吐露。「ここ(本作)ではプラスの側面から現在の憤慨する社会状況を語っているが、それは、英語圏で言うところ“士気を高める”ため、そう、あなたを立ち上がって戦せるためだ!(クラピッシュ映画の音楽を担当している)ロイック・デュリーの曲に、こういう歌詞があるんだ。“世界がどこに行くかはあなた次第…”。私はこの言葉を信じている。たとえ世界が問題ばかりでも、私たちはそれを受け止める必要性は必ずしもない。私は(不正に対する)反抗精神とレジスタンスを信じている。たとえ、理想的で幼稚な考えだと批判されても、私は「フランスの味方」でありたいと思っている」。
クラピッシュ監督ならではのお洒落なテイストを盛り込みながらも、社会派ドラマとしての側面も持っている「フランス、幸せのメソッド」は6月15日(金)よりTSUTAYAだけでレンタル開始。セルDVD(販売元:ハピネット)は8月2日(木)発売。

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