「宇宙」という空間は未知で、それゆえ夢がある。子どもの頃に星空を見上げて、「この果てしない空間にはいったいなにが隠されているのだろう?」と興奮した記憶は誰にでもあるのではないだろうか。そんな宇宙空間への「わくわく」は全世界共通のようで、英国にも1人、宇宙に魅せられた10歳の少年がいた。小学校の課題で「スペースシャトル」について調べることにした彼は、資料を求めて、なんとNASAに手紙を出した。さらに驚くべきは、それにきちんと返信がきた、ということである。なんとも夢に溢れたエピソードではないか。
イギリスのデイリーメール紙やザ・サン紙の報道によると、10歳のクリストファー・アラン少年は、小学校の課題である2分間のスピーチのために「スペースシャトル」について調べることにした。 NASA のディスカバリー計画とコロンビア事故に興味をそそられたからだという。しかし、インターネットや百科事典では、充分な情報は得られなかった。そこで彼はひらめいた――NASAに訊けばいいじゃないか。
「NASAの住所を調べるのに2時間かかったけどね、彼らなら手伝ってくれるってわかってたんだ。だって、彼らより知ってる人なんていないじゃないか。僕の両親や、先生とかより物知りなんだからさ」とクリストファー少年は言う。そして彼は11月上旬に手紙を出し、1月のはじめにNASAからの返信を手にした。中にはNASAからの手紙、ディスカバリー号船の写真と宇宙飛行士のサイン入りの写真、そして彼が必要とした情報がすべて入っていた。
手紙を受け取った彼は、文字通り「有頂天になった」という。「最高なのが、手紙にはね、『親愛なるクリストファー、考えてみてほしい、あと何年かで君も次の開拓者たちの1人になって、僕らの地球をよりよく知ること、そしてさらなる宇宙探索を、手助けできるようになるかもしれないんだよ』って書かれてたこと。もう僕、すごく宇宙飛行士になりたいし、なれると思うんだ」と彼は話している。
NASAからの手紙と写真に、クラスメイトからは嫉妬と羨望の視線を向けられたそうだが、無理もない。NASAの粋なはからいに、クリストファー少年の宇宙への興味はますます高まったようである。彼はこれからも、果てしない空間を目指して進み続けるだろう。彼の壮大な目標がかなうことを、同じ「宇宙の下」から応援したい。
<NASAからの手紙を載せた英メディア>
'Over the moon': Schoolboy, 10, gets help with space project from astronauts after writing letter to Nasa - Mail Online
(古川仁美)
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