このところの節約志向で、男性でも「昼は自作のお弁当を社内で食べる」という人が少なくない。もともと「社内で昼食をとる習慣」は日本企業に定着しているが、これが「朝食」となると賛否両論。「教えて!goo」にも「デスクで朝食をとる行為について」と、先輩が朝おにぎりなどをデスクで食べていることへの意見を求める投稿があり、否定する意見が圧倒的に多かった。そこで今回、デスクで朝食を食べる行為を専門家はどう見ているのか、キャリアカウンセラーの笹木正明さんに話を聞いた。

■勤務体制の違いはあるものの、朝食は始業時までに済ませたい

「(出社時間が決まっている)通常勤務の場合ですが、始業時までに食事を終えることが必要です。もちろん、この点が曖昧、ルーズな職場については、この限りではありません」(笹木さん)

職場の規則に依るとはいえ、やはりデスクでの朝食は避けた方がよいとのこと。なお、最近ではフレックス制を導入している会社も多い。その場合はどう対処するのが正解なのか。

「朝早くから仕事をしている、たとえば6時~7時までに出社するような場合、社内で朝食をとらざるを得ないこともあります。ただしこの場合も、仕事開始と設定した時間以前に、食事を終えるべきでしょう。好き勝手な時間に朝食をとるのは『公私混同』に該当しますから、注意が必要ですね」(笹木さん)

さらに、「デスクでの朝食は仕事のモチベーションにも影響します」と笹木さんは続ける。

■朝昼問わず、デスクでの食事がもつマイナス要因

「通常、昼休みは1時間程度ですが、これには『食休み』(食後に休息をとること)も含まれています。しかしデスクで朝食を摂り、そのまま仕事をするとなると、休む間もなく業務を行うこととなり、健康にもよくないです。また食後に眠気を生じやすくなるなど、モチベーションも上がりにくくなります」(笹木さん)

働き方や働く環境にもよるが、朝食はできる限り出社前にとるようにしたい。そして朝昼問わず、デスクでの食事を習慣化してしまうことで、業務にも悪影響がでる可能性がある。お昼も可能であれば、デスク以外、例えば休憩スペースなどの活用を検討したい。たかが朝食といわず、心身の健康のためにも、仕事と食事のけじめはつけたいものである。

●専門家プロフィール:笹木 正明
キャリアカウンセラー。大学時代にレスリスバーガーの「人間関係論」を勉強。会社勤務しつつ、40歳から転職相談業務に従事。57歳で退職後、放送大学大学院修士全科生として入学。68歳まで人材紹介会社に勤務。現在は放送大学の学習センターでボランティアの学習相談を務める。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

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