正社員になるのは魔王になるよりも難しかった!?
ワーキングプア問題がいっこうに解決しない世相を反映してか、労働系ライトノベルはたらく魔王さま!』が人気だ。

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 勇者に敗れた魔王と従者がたどり着いたのは現代の日本。魔力の弱まった彼らは生きるために働くのだが、学歴も何もない彼らにとってそれは大変なことだった。派遣のバイトはたった2週間で失業。その後も短期バイトを転々とし、半年後にやっとマグロナルドで長期バイトとして採用された。家賃4万5千円の風呂なしアパートで過ごす彼らは「たった一駅分の交通費を、理由をつけて浮かせることに喜びを覚える」ほど庶民的になってしまっていた。

 一方、魔王を追ってきた17歳の少女である勇者も、年齢を詐称し派遣社員としてドコデモグループに勤めていた。「苦情処理の受信専門テレアポでもなり手の少ない分野」であったため、日本に来て最初に就いたこの仕事を続けられている。

 勇者や魔王までもがワーキングプアとは、これは、もしかしてテン年代のプロレタリア文学、現代版『蟹工船』なのか!? 
と思いきや、突然「俺は、この世界で正社員になってみせるぜ」と言い出す魔王。
「今日こそはブラックペッパーポテトの売り上げベストを更新してみせる!」と意気込み、マニュアルを完璧に覚えた彼は柔軟な対応で接客をこなす。お客様のご来店にはもはや脊髄反射で体が反応してしまうレベル。魔力を取り戻し、世界征服をするという本来の目的は? 資本主義社会に取り込まれてしまう魔王さまって……。魔王さまたちが蟹工船のように連帯して立ち上がる日はまだまだ遠そうだ。いや、そんな日はこのまま来ないほうが現代らしいのかもしれない。

はたらく魔王さま!』は現在5巻まで発売中で、コミカライズ第1巻は本日6月27日発売。

ダ・ヴィンチ電子ナビ)

『はたらく魔王さま!』和ケ原聡司(アスキーメディアワークス)