「恋愛の仕方がわからない」と嘆く30代女性は多い。本能の赴くままに人を好きになった若い頃と違い、最初から頭で色々と考えてしまうことがその原因のようだ。(文:みゆくらけん)

先日のガールズちゃんねるに立ったのは、「恋愛の仕方がわからなくなった」という30代以降の女性が集まるトピック。投稿者の30歳女性は2年前に同棲していた彼氏と別れて以来、合コンや飲み会など出会いの場に行っても脳内が恋愛モードにならないのだという。

「人を好きになるってなんだっけ?どうなったら好きなんだっけ?むしろ付き合うってなんなんだ?って感じです」

「結婚の二文字がちらついて、純粋に自分の気持ちだけに向き合えない」

投稿者のこの状況に共感するコメントは多く、「はい!婚活疲れた!誰も好きになれません」「もう10年くらい彼氏いない。多分今の中高生の方が私より恋愛上手」などという書き込みを筆頭に、恋愛ができなくなったという女性の苦悩の声が殺到した。

「恋愛ってどうやるんだっけ?」と頭を抱えてしまっているのは、「ついつい慎重にアレコレを考え過ぎてしまうから」というのが共通のよう。

「どうしても結婚の二文字がちらついて、純粋に自分の気持ちだけに向き合えない」

このコメントがまさに"恋愛ができない最大のネック"を表しているが、相手のスペックや価値観を重要視するあまり、若い頃ならオンになったはずの恋愛スイッチがなかなか入らない。その後の人生がかかっている分、過去の経験則や知識をフル活用した"頭で考える"作業は、もう条件反射。「いろんなものが見えてくると、やすやすと恋なんかできません」という声の重みよ。

「逆に、若い時より人を見る目があるから良い人を選べる」

さらに厄介なのが、30代ともなると客観性が相当身に付いてしまっているため、恋愛にキャピる自分が痛い・恥ずかしいといった分析も出てくるようで、

「この歳になってキュンキュンしてる自分もキモくて想像できない」
「恋愛スキルが20代前半で止まってる… 『すごぉーい!』『おもしろぉーい!』とかキャピキャピ言ってる自分を想像するとサブイボ出るわ…」

などというコメントも相次ぐ。そして何より切実なのが、「愛だの恋だのに振り回されたくない」という思いだ。「付き合っていた時のイライラや苦しかった感情がない今は幸せかも」というコメントもあるように、恋愛で傷つくダメージが昔より大きくなってきているという指摘は多い。

「恋愛=楽しいが、いつのまに恋愛=疲れるになってしまったのだろう」

確かにこれには頷ける。いつのまにか「快」より「苦」の占めるウエイトが大きくなっているような感覚の恋愛は、はっきりいって、かなりの体力を必要とする。

体だけではなく、傷ついても再生できるだけの心の体力も相当必要だ。前の晩にケンカして傷ついて泣いても、翌朝にはもう大人の顔に仕上げて会社に向かわなければならないのだから。――つまり、恋愛は「クソしんどい」。そのしんどさを重々知っているからこそ、30代の恋愛は腰が重くなるのかもしれない。しかし一方では、

「逆に、若い時より人を見る目があるから良い人を選べる」

という声もある。これも納得。価値観や快・不快のモノサシもある程度出来上がってきている分、勢いで恋愛していた若い頃より「合う」人に巡り合える可能性も高い。

それはそうと、不倫報道で話題の山尾志桜里議員は凄い。何が凄いって、恋愛を求めるパワーが凄い。今ある立場や社会的信頼を失うリスクを背負ってでも不倫にばく進するあの様は、もはや"狂い咲き"としか言いようがない。一見「恋愛の仕方がわからない」と嘆く女性たちとは正反対の行動のように見えるが、アレはきっと、「すでに持っている」人特有の「美味しいとこどり」の恋愛なのだろう。だからこそ、燃える。