昨年の普天間基地移設問題で改めて注目を集めたのが日米安全保障条約。
 アメリカとの間にいざこざがあっても最後はアメリカは日本を守ってくれる、なんてったって安保条約があるんだから、と安心しきっている日本人はまだまだ多く見受けられますがとんでもありません。日米安保条約は一年前に通告すればお互いに一方的に破棄できる条約なのです。
 『日米同盟崩壊〜もう米軍は日本を中国から守らない〜』集英社/刊)の著者で、元アメリカ陸軍大尉・軍事コンサルタントの飯柴智亮氏は、アメリカにとって日米安保条約のメリットは薄れてきており、この条約は日本が利益を得ているばかりで割に合わない不公平な取り決めだという意見が保守派を中心に強まってきているとしています。また実際に、米政府にも大きな影響力をもつ米国の民間シンクタンクストラトフォー」は、「2025年には日米同盟はなくなっているだろう」と予測しているのです。

 この条約が時代に合わないものになり始めた以上、破棄されるのもあながち夢物語ではありません。もしそれが現実になった時、日本の取るべき行動、生き残る道は何なのか。この問題に対し、本書は軍事・防衛の観点から考察しています。

 前述の基地問題でアメリカに強い不信感を抱かせてしまった日本ですが、それでも日本の首脳たちからは危機感を感じとることはできません。この本を一番に読むべきなのは彼らかもしれませんね。
(新刊JP編集部/山田洋介)

日米同盟は揺らいでいる?