AKB48を卒業する木崎ゆりあ9月28日に「SKE48劇場最終公演」と題して、2014年の大組閣で移籍して以来約3年5カ月ぶりに、古巣である名古屋SKE48劇場のステージに立った。演目の「制服の芽」は彼女が2010年に正規メンバーに昇格して初めて臨んだ思い出の公演。SKE48としても2016年6月以来の上演で、木崎が選んだこの日のメンバーの中には初登板となる高柳明音や研究生時代のアンダー以来2回目という木本花音らもいた。

【写真を見る】アンコールの最後には、木崎と同期の卒業生6人も駆け付けた

客席のライトが落ちて「overture」が流れると、場内はSKE48のイメージカラーのオレンジのペンライト一色に。分厚いコートを着たままで激しく踊る、SKE48らしいオープニングナンバー「恋を語る詩人になれなくて」のセンターを務めるのはもちろん木崎。その両サイドには同じ3期生の盟友・須田亜香里9月24日日本ガイシホールで自らの卒業コンサートを終えたばかりの大矢真那が立った。

序盤4曲を終えた後のMCでは「私の“元祖”公演です!」と言って周囲から「“凱旋”公演でしょ!」とツッコまれる、おなじみのおバカキャラを披露。続くユニット曲パートでは、彼女の代表曲といえるデュエットナンバー「狼とプライド」をいとこのSKE48メンバー・浅井裕華と共に。「ゆりあさんは私が5歳の頃からSKE48にいて、ずっと憧れの先輩でした」という浅井も感慨深げ。

「最初のオレンジのペンライトを見た時点で泣いた」とは言うものの、初期のSKE48をともに支えた仲間たちや新たに加わった後輩たちと懐かしのナンバーを繰り広げる姿は決して湿っぽくならない堂々たるもの。アンコールラストの「手紙のこと」の後には観客から抽選で1人に手紙がプレゼントされる恒例企画が行われたが、木崎は「終演後に外の“カウンセラー”で受け取ってください」と言い、またもや周囲から「“カウンター”でしょ。誰も病気じゃないから!(笑)」と最後までおバカキャラ全開だった。

「制服の芽」公演のセットリストを全て終えた後のWアンコールでは、「ウィンブルドンへ連れて行って」を後輩の木本と松本慈子と、さらに「制服レジスタンス」をSKE48キャプテンの斉藤真木子都築里佳と披露。アイドルらしさあふれるナンバーとハードなダンスナンバーという、彼女の2つの魅力を存分に表現してくれた。

その後、オーディションからの木崎の軌跡を追った映像が上演され、1人でステージに現れた彼女は「SKE48の0番(センターポジション)で踊りたかった」「名古屋のファンの方にもお別れを言いたかった」と、今回の公演を実現してくれたスタッフやメンバー、ファンに感謝の言葉を語る。

そして、いよいよ最後に「私の大好きなメンバーたちと歌います」と言って「桜の花びらたち」のタイトルが告げられると、ステージには木下有希子(現・木下ミシェル)や秦佐和子小木曽汐莉ら卒業した同期の6人が登場! まさかのサプライズに客席からは大きなどよめきが起こる。歌い終えた後には会場に来られなかったメンバーも含めた同期11人からの手紙も読み上げられ、彼女がいかにメンバーに愛されてきたか、ひしひしと伝わる最終公演になった。

9月30日(土)には秋葉原AKB48劇場で、AKB48メンバーとしての最終公演も開催される。

【取材・文=青木孝司】

木崎ゆりあがSKE48劇場に凱旋、「制服の芽」で同劇場最終公演を行った