10月10日放送のバラエティー「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、「お弁当に冷凍食品を使うのは手抜きだと思うか」と話題になった際、経済評論家勝間和代さんが「思う」と主張。問題点を指摘していた。(文:篠原みつき)

「冷凍食品が悪いという先入観を捨てるべき」という意見も出るが……

神奈川県の中学校で、給食のクオリティが低すぎて問題になったが、そうすると保護者が弁当を持たせなくてはならない。しかし最近は共働き家庭が多く、毎朝弁当を作るのは大変だ。週刊誌『女性セブン』がこの問題を取り上げ、冷凍食品のお弁当は「手抜き」ではなく「手間抜き」だ、と主婦をフォロー。ときには「冷凍食品を使ってもかまわない」と勧めた。

番組がこれを紹介し、どう思うかコメンテーター4人に問うと、4人中3人が「手抜きだと思わない」と回答。作家の立花胡桃さんは、「私、入れます、お弁当に。まったく悪いと思いません」とし、最近の冷凍食品はクオリティが高くて美味しい、保存料も入ってないし彩りもいいと絶賛した。

「逆に今こそ冷凍食品の評価を見直すべきだと思います。冷凍食品が悪いという先入観を捨てるべきだと思いますよ」

タレントの内山信二さんも「冷凍食品を凍ったまんま子どもに渡したら手抜きだなと思いますけど、朝レンジでチンしてお弁当に入れるっていう作業もけっこう手間だと思うんですよ」と全面的に肯定した。

「作る技術を身に付けた方が、冷凍食品を買うより早くて安い」

一方、勝間和代さんは「(手抜きだと)思う」のフリップをひとり堂々と掲げ、問題点をこう述べた。

「冷凍食品があまりにも素晴らしすぎて、家庭での調理能力がものすごい落ちてるんですよ」

特に若い世代に、「冷凍食品よりおいしいものを作れないから冷凍食品に頼る」という悪循環が起きてるという。

「毎日のことを冷凍食品に頼るとけっこうお金もかかりますし、子どもが大人になったとき困るんですよ」とも指摘し、

「たまに頼るのは問題ないと思うんですけど、毎日のお弁当だったら作る技術を身に付けちゃった方が、冷凍食品を買うより早くて安い」

と自論を展開した。

これに坂東さんが、「でもこれからは、そういう生活(冷凍食品ありき)になりますよ」と口を挟むと、勝間さんは「いやそれがアメリカやヨーロッパでも問題になってるんですよ」などと互いに譲らぬ水掛け論になっていた。

視聴者アンケートは圧倒多数で「手抜きだと思わない」

番組では視聴者にジャッジを求め、「弁当に冷凍食品は手抜きだと思いますか?」とアンケートと取ったところ、「思わない」が7037ポイントと圧倒多数。「思う」は1641ポイントにとどまった。

視聴者の意見は、「はっきり言って手抜き!」と断言する人も、自身の弁当に「かなりの割合で冷凍食品を詰めています」と白状している。また、「どんなお弁当であれ、用意すること自体手間がかかるので、手抜きではないと思う」という肯定派の声も紹介された。

ちなみに筆者も毎日夫の弁当を作るのだが、おかずの8割は冷凍食品で、正直に言ってこれは手抜きだと思う。だが、それが悪いとは思わない。時短と節約ためやむなしの選択だと思っている。なんといっても外食よりは安いので。司会の蝶野さんは「まあね、お弁当作ってもらえるだけでありがたいですよ」と話題を締めくくっていた。大人である。