インテージは10月31日、テレビの都道府県別視聴実態に関する調査結果を発表した。調査は今年9月、テレビ約47万台、録画機器約52万台(8月時点)を対象にMedia Gauge TVのスマートテレビ視聴ログを使用し集計した。

「平均何%のテレビで番組が見られていたか」を表す「総接触率」と、視聴時間を都道府県別に見た1位は「北海道」(26%)で、1日あたり6時間8分の視聴だった。

以降、「宮城県」(24%、5時間50分)、「秋田県」(24%、5時間49分)、「鹿児島県」(24%、5時間46分)、「山形県」(24%、5時間42分)と続く。東北以北はテレビの総接触率が高い傾向にあるようだ。

東京都は43位 最も視聴時間が短いのは鳥取県で4時間5分

ご当地ネタは、気になる人が多いみたいですね

一方、最も視聴時間が短かったのは「鳥取県」(接触率17%)で4時間5分と、1位の北海道と比べ2時間以上差がある。以降「福井県」(19%、4時間35分)、「宮崎県」(20%、4時間41分)、「富山県」(20%、4時間52分)となり、「東京都」(20%、4時間54分)は43位だった。

接触率の「1日の中での変化」を辿ると、全国的に7時30分と20時45分に40%台、12時30分頃に20%台と高い数値を記録している。朝、昼、夜にそれぞれ1回ずつピークがあるようだ。

調査を実施したインテージは、早寝早起きで全国1位(平均より18分早起き、40分早寝)である青森県ピーク時間帯が、全国平均より10分程度早く来ることに着目し、「地域の生活リズムの違いが、時間別の総接触率にも表れている」と分析している。

ご当地ネタが放送される時はその県の接触率が急上昇 ただし甲子園では例外も

また10月22日に行われた衆院選挙の速報番組の接触率についても調査した。開票速報が出る20時からの30分間に注目し、関東と近畿の地方独立局への接触率を比較した。全体的に見ると、近畿の方が関東より接触率が高いようだ。

BBCびわ湖放送滋賀県)」で5.3%、「テレビ和歌山」で5.1%、「奈良テレビ」で3%となっている。しかし「KBS京都」(1.3%)、「サンテレビ兵庫県)」(1.5%)のように、人口の多い府県では低い。

同様に関東も「群馬テレビ」で3.6%、「とちぎテレビ」で2.2%だが、「テレビ埼玉」(0.7%)、「テレビ神奈川」(0.6%%)、「千葉テレビ」(0.4%)、「TOKYO MX」(0.2%)では1割に満たない。この傾向について同社は、「いわゆる『政治の中央』から離れた地域の人の方が、自分住んでいる地域の選挙結果への関心が高いことがうかがえます」と説明している。

番組の特徴によっては、局地的に接触率が上がる場合もある。各地域の行事や食文化などのご当地ネタが紹介されるバラエティ番組「秘密のケンミンSHOW」(読売テレビ)で地元ネタが特集されると、その県の接触率が上がりやすいようだ。

「最強ラーメン王国福島に潜入!」が特集された9月7日放送回では、福島県の番組接触率が18.4%と全国平均9.7%を8.7ポイント上回った。長野県でも、同県特集回の接触率は普段の約1.5倍となっている。

しかし今年の全国高校野球選手権大会決勝戦の場合、埼玉・花咲徳栄に広島・広陵が大量得点を取られた時間帯、広島県の接触率は下がっている。一方、埼玉県の接触率は試合終了まで継続して伸び続けた。勝つ瞬間は観たいが、負ける瞬間は観たくないといったところだろうか。