今夏日本でも公開され、大ヒットを記録したディズニーピクサーアニメーション映画カーズクロスロード」。「カーズシリーズには人間以上に感情豊かで魅力的なキャラクターが数多く登場しているが、キャラクターアニメ、漫画問わず、作品の成否を決める重要な要素だ。そこで同作のスタッフに「カーズ」のキャラクター誕生の経緯やデザイン設定などについて質問。ピクサー流の“こだわり”を教えてもらった。


デザインには声優の“特徴”を

ディレクティング・アニメータージュードブラウンビル氏は、まず、キャラクターデザインにおいて何よりも重要なこととして、「ストーリーの中でどのようなキャラクターなのかを明確にすることよ」と言い切る。その上で「声優が選ばれたときは、キャラクターについて考える素晴らしい機会になる。声優に“特徴”があれば取り入れるの」とし、声優を扱うアニメーションならでは手法を紹介した。

実際、サンダーホロウのレースシーンマックィーンやラミレスを苦しめるスクールバスのミス・フリッターは、声優をつとめたリー・デラリアの特徴を反映させたそうで、「彼女にはとても強烈な個性があって、声が大きく、エネルギーにも満ち溢れている。それはミス・フリッターデザインや動きにも影響を与えたわ」と明かす。

また、声優の“特徴”を取り入れる以外にも「(マックィーンのライバルの)ジャクソンストームは“脅威”を感じられて、さらにマックィーンを“古い”と感じさせるデザインにしているの。“未来”をデザインすることを考え、それがどういう見た目のものになるかをよく考えたわ。一方、ラミレスは強いトレーナーで、次世代の車にも引けを取らない。だから、ストームたち次世代の車に立ち向かえる大きさ、パワフルなデザインを意識したわ」と語る。

キャラクタースーパーバイザーのマイケル・コメット氏も「顔、目、口が本当に重要な要素で、監督が作品の中に必要としている個性でもあるわけだから、声優が誰であれ、デザイン要素には盛り込むようにしている。例えば、目の色は大きな要素だ。(ラミレス役の)クリステラ・アロンツォは茶色い目をしている。だから僕たちはラミレスを茶色い目にした。ミス・フリッターの声優のリーは、よく分厚い黒メガネをかけている。だからミス・フリッターの目の周囲の窓のトリムは、大きくて黒いんだ」とし、主人公マックィーンの目が青いのも、声優のオーウェン・ウィルソンの瞳の色から設定されたことを明かしてくれた。


ストーリーに全神経を注ぎ込む

とは言え、「カーズ」の登場キャラクターは人間ではないため、声優の“特徴”や車種で差別化するだけでは不十分だ。そこで重要になってくるのが、各キャラクターの“ストーリー”と、観る人を惹きつける“共感”だという。

その点について、プロデューサーケヴィン・レハー氏は「前作から登場しているキャラクターはどう反応するかを考えればいいけど、新しいキャラクターの場合はすべて一から作り出さないといけない。ストームストーリーを考えないといけないし、『クルーズストーリーは?』とか、『スモーキーバックストーリーは?』とかを考えないといけないんだ。だから、これら新しいキャラクターたちのそれぞれの伝記のようなものを書く。そうすれば、彼らに命を吹き込むことが出来るんだ」と“ストーリー”の重要性を説く。

クリエイティブ・ディレクタージェイ・ウォード氏も「とても重要なポイントは『カーズ』のキャラクターとして共感ができるか、という点なんだよ。自動車であることは、その次なんだよ。共感できるのは、あくまでキャラクターだからね。たまたま、そのキャラクター自動車なんだ。例えば、もし『この車はカッコイイ!』と言われても、それが良いキャラクターでなければ共感できないからね。『このキャラクターは魅力的か?』『このキャラクターと気持ちが通じあえるか?』『このキャラクターがどういうものか?』まずそういうことを考えるんだ」とし、「すべてストーリーありきなんだ。どのピクサー作品でも、最初にやることは素晴らしいストーリーを作ること。全神経を注ぎ、確固たるストーリーができたら、どのようなキャラクターになるかは自ずと決まってくる」と力強く断言していた。


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