現在、『GODZILLA 怪獣惑星』が全の劇場で開されています。もが知る『ゴジラシリーズが、産のアニメーション映画として製作されるのは異例中の異例のこと。本作の見所がどこにあるのか? ネタバレのない範囲で、以下よりたっぷりとご紹介します!

1:“アニメでしかできない”世界観と設定になっていた!

(C)2017 TOHO CO., LTD.

本作『GODZILLA 怪獣惑星』の最大の特徴と言い切ってよいのは、これまでのゴジラ映画のような“現代”ではなく、“遠い未来”を舞台にしていることと、人類が「怪獣ゴジラ地球されたため、そこから離れなければならなかった」という絶望的な状況に陥っている設定です。

さらに劇中では“エクシフ”と呼ばれる宇宙人のほか、“パワードスーツ”というガジェットも登場。生態系がガラリと変化とした地球の描写も含め、作品の方向性が“遠未来SF映画”に振り切っているのです。

言うまでもなく、それは日本実写映画および特撮では実現が難しいもの。まず、“アニメでしかできない”世界観および設定になっていること、アニメでこそ作られる意義があったと、もが思える内容になっているのが、この『GODZILLA 怪獣惑星』なのです。

2:脚本家は『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄!“らしさ”が大盤振る舞いだ!

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本作『GODZILLA 怪獣惑星』の脚本を手掛けたのは、テレビアニメ魔法少女まどか☆マギカ』や特撮仮面ライダー鎧武/ガイム』などの虚淵玄。氏の作品を観た方であればご存知の通り、(そうでない作品ももちろんありますが)良い意味でになる」「救いがない」と言われる、重く苦しいストーリーのものも多くなっています。

本作でも、その“虚淵玄らしさ”が大盤振る舞いでした。20年間も宇宙空間を漂流しなければならなくなった人類の“地獄のような生活”が描かれるほか、登場人物は積した思いを吐露し続け、絶望的とも言えるミッションに挑むことになります。しかも、ゴジラを倒すという当然のような“正義”そのものにも、それが「本当に人類にとって正しい選択なのか」と疑問が投げられかけたりもするのです。

問題を単純に一元化せずに、問題(ゴジラ)に対しての様々な思惑が交錯し、そして最適な方法を選ぼうと奮闘する、という過程にも、虚淵玄らしさを存分に感じました。これは2016年開され各方面で絶賛を浴びた『シン・ゴジラ』にも通ずることですし、虚淵玄の作品を観たことがないという方にも、心にズシンくのではないでしょうか。

また、虚淵玄の作品には「何かのためには、他の何かを犠牲しなければならない」「立ち向かう問題に対して、予期していなかった残酷な真実が露呈する」という展開も良くあります。本作に関しては……ネタバレになるので書けませんが、氏の作品を知っている人こそ、「これこそ虚淵玄イズムだ!」と納得、または感動できるのではないでしょうか。

3:3DCGアニメの“質感”がすごい! 今回のゴジラのモチーフは“樹木”だった!

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本作を製作したのは、押井守監督アニメ映画イノセンス』の3DCGパートや、テレビアニメスター・ウォーズクローン・ウォーズ』なども手掛けたポリゴンピクチュアズ社です。その圧倒的な映像表現も、本作の大きな見どころになっています。

未来地球風景不気味かつ実在感があり、爆発エフェクトの質感や規模は“これでもか”というほどにリアル。特にライティングにとことんこだわったという巨大なゴジラの“質感”は「アニメであることが信じられない!」と叫びたくなるほどに迫ったものになっています。

その他、緻密に作られた宇宙船やパワードスーツの造形にも惚れ惚れしますし、スマホアプリポケモンGO』などのコザキユースケデザインしたキャラクターは“硬SF”である世界観に絶妙にマッチし、もちろんゴジラ撃退のためのドッグファイトは大迫! 3DCGという表現を最大限に駆使した、あらゆる点において妥協のない映像づくりを堪できました。

ちなみに、今回のゴジラの造形に選んだモチーフは、ズバリ“木”であったのだとか。確かに、すべての生命体の中でもっとも大きくなり、寿命も長く、強固な体組織で構築されている木は、今回のゴジライメージにピッタリと符合します。頭部が小さめで、どっしりとした体格、その圧倒的な重量を感じさせる造形は、ゴジラファンこそ唸る出来栄えなのではないでしょうか。

4:超豪華声優陣が勢揃い! 宮野真守と櫻井孝宏が演じるキャラの“ブロマンス”にも注目!

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本作は、“”がつくほどの声優が勢いしています。主人公を演じた宮野真守を筆頭に、櫻井孝宏花澤香菜杉田智和梶裕貴小野大輔堀内賢雄山路和弘諏訪部順一三宅健太中井和哉と、声優に明るくなくても聞いたことのある名前ばかり。もちろん、その感情表現や存在感は格別、それぞれのキャラにバッチリとハマっていて、文句のつけようがありません。

アニメ映画において、実写に近いキャラクター質をめたり、またはプロモーション的も含めて俳優や芸人を起用することは良くありますが、全規模で開され、しかも(ゴジラという)メジャーな作品で、ここまで本業が声優であり、しかも実人気トップクラスの方々のみで固められたというのは、近年ではなかなかしいのではないでしょうか。声優ファンにとっても見逃せない作品と言えるでしょう。

また、櫻井孝宏演じる宇宙人青年(見た25歳だが、実年齢は50歳という設定)が、宮野真守演じる主人公の“良き理解者”になっていることにも注です。その関係性は「口では明確に言わないけれど、お互いに信頼しあっている」という感じの“ブロマンス”な印がありました。

その他、花澤香菜演じる“おじいちゃんっ子”なヒロインかわいいですし、小野大輔演じる「理想論を掲げずに、冷静に状況を判断する」キャラクターも強い印を残すことでしょう。

※次のページでは『シン・ゴジラ』との関係について解説しています!

5:『シン・ゴジラ』という“王道の特撮”があってこそ、アニメに着手できた!

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虚淵玄は、本作『GODZILLA 怪獣惑星』の企画が立ち上がった時、「ゴジラ王道の手法は特撮をおいて他にない」という思いがあったため、アニメ作品に着手することに初めは戸惑ったそうです。しかし、『シン・ゴジラ』が先に開されると聞き、そちらが「絶対に特撮として王道ゴジラを復活させるものなる」と確信したため、“未来のために新しい可性を開拓する企画”として、脚本を引き受けることを決意したそうです。

監督の1人である瀬下寛之も同様に、「ゴジラ特撮でやるべき」という思いがあったため、企画を聞いた時の第一は「理!」だったそうです。しかし、『シン・ゴジラ』という王道ゴジラ映画が先に開されることと、テレビアニメシドニアの騎士』でもタッグを組んだ静野孔文監督が再び参加することを聞いて、製作に乗り気になったのだとか。

虚淵玄という実者が脚本を手がけるという安心感、『シン・ゴジラ』の庵野秀明監督が間違いなく作品にメジャー格を与えてくれるであろうという確信も、大きな後押しになったそうです。

つまり、『シン・ゴジラ』がなければ、本作『GODZILLA 怪獣惑星』が製作されることはなかった、とも言えるのです。直前に“王道特撮”である『シン・ゴジラ』が開されたからこそ、アニメという今までにはなかった手段を使って、新しい表現のゴジラを作ることができた……。本作のスタッフには、そんな思いがあったのです

ちなみに、もう1人の監督である静野孔文は、『ゴジラシリーズをまったく観たことがなかったため、「自分が監督するのはファンに失礼になるのではないか」という理由で、一度は企画を断ったのだとか。しかし、友である瀬下寛之監督の参加もあり、製作を決意。静野氏は、ゴジラ存在感がありながら、人間のドラマもしっかり描けている虚淵玄の脚本にも感銘を受けていたそうです。

その静野孔文監督ゴジラを知らなかったことは、“先入観なしのアイデア”として、作品をゼロから作り上げたような本作にとって、むしろ大いに役に立ったのだそうです(例えば、それはゴジラが口から放つ“火炎”の認識など)。

本作が『ゴジラシリーズをまったく知らなくても楽しめる内容になっているのは、ゴジラファンスタッフだけではなく、そうではなかった静野監督から、“初めて観る視点”をしっかり拾ったおかげでもあるのでしょう。

6:物足りなさを感じるところも?

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本作『GODZILLA 怪獣惑星』には2つ、欠点とは言わないまでも、“物足りなさ”を感じる要素もありました。それは単純に“テンポが速い”ことと、“上映時間が短い”ことです。

映画の冒頭から、主人公が“とんでもないことを要する”という急展開から始まりますし、『シン・ゴジラ』に負けず劣らずの口の会話が次々に押し寄せてきます。「これまでに何があったか」もダイジェスト回想)的に示される程度で、“地球宇宙人がやってきた”という衝撃の事実でさえもサラッと描かれます。さらには戦闘時にも矢継ぎカットが切り替わるなど……余分な描写が一切ないのです。

このテンポ速さは、「まったく退屈することがない」「怒涛の展開に奮できる」と肯定的にもとれますが、同時に「ついていくのが大変」「それぞれがアッサリした描写に思えてしまう」「“間”を楽しむ余裕がない」という印も持ってしまいます。観る前に、なるべく体調を良くしておき、会話を聞き逃さないよう、フル回転して観たほうが良いでしょう。

また、本作の上映時間はわずか89分と、近年の映画の中でもかなり短めです。もちろんそれも長所と言えるのですが、壮大さを感じる設定、そしてゴジラという巨大な怪獣との戦いという要素に対して、やはり「あっという間に終わってしまう」のは、物足りなさを感じる理由の1つになっているのではないでしょうか。

また、本作は3部作の第1作に当たります。“続編におあずけ”されてしまった伏線もありますし、この1本だけで物語完結しないというのも、不満に思う方もいるでしょう。

もっとも、これらの“テンポが速い”、“上映時間が短い”ことは、良い悪いというよりも、作品の特徴にすぎません。「短い時間に詰め込まれた、怒涛の物語を楽しめる」ことこそ、『GODZILLA 怪獣惑星』の面さである、と捉えてみるのも良いでしょう。

まとめ:エンドロール後もお見逃しなく!

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トータルでは、『GODZILLA 怪獣惑星』は3DCGアニメの質感や迫虚淵玄による論理的に構築された物語、『ゴジラシリーズへの圧倒的なリスペクトもあり、(個人的には)『シン・ゴジラ』に勝るとも劣らない奮がありました。Netflixでの配信も予定されている作品ですが、間違いなく劇場で堪する価値もあると断言します。

また、本作はエンドロールが始まっても、そのまま席に座ってきおき、最後まで観ることをおすすめします。何が映し出されるのかは……観てのお楽しみです。

おまけ:『GODZILLA 怪獣惑星』から連想した映画はこれだ!

最後に、『GODZILLA 怪獣惑星』から連想した、合わせて観てほしい3つの映画を紹介します。

1.『楽園追放 -Expelled from Paradise-』

GODZILLA 怪獣惑星』と同じく、虚淵玄が脚本を手掛けた3DCGアニメ映画です。人類が体を捨てて電間に暮らしているという『マトリックス』な設定。

トランスフォーマー』のようなド迫ロボットバトルロードムービーのような話運びや、風刺の効いた哲学的な考察に浸れる要素も満載。果ては『ブレードランナーオマージュと思しきうどんを食べるシーンがあったりと、SFファン映画ファンが大歓喜できる作品に仕上がっていました。

この他、虚淵玄が脚本を手掛けたアニメでは『PSYCHO-PASS サイコパスシリーズもおすすめしたいところ。こちらは、“犯罪係数”が規定値よりも上昇してしまった者を警察が取り締まるという物語になっており、さらに『ブレードランナー』からの影が強い作品になっていました。

2.『アフター・アース』

シックス・センス』や『スプリット』のM・ナイト・シャマラ監督が手がけた映画です。その舞台は環境がすっかり変わり、人間が住めなくなってしまった地球。まさに『GODZILLA 怪獣惑星』と似た設定になっているのです。

ストーリーは「危険な状態になった地球で、息子が離れた場所におつかいに行き、がそれをサポートする」という地味なもの。世間的な評価も決して高くはありませんが、登場人物の内面や、親と子の確執も十分に描かれているため、個人的にはかなり楽しめました。シャマラ監督ならではの“美学”や“価値観”を存分に味わえるでしょう

3.『BLAME!』

今年(2017年)に劇場開もされ、現在Netflixでの配信も行われている3DCGアニメ映画です。遠い未来、過酷な環境でわずかな人類が生き延びているという設定が『GODZILLA 怪獣惑星』と似ている他、アニメーション製作ポリゴンピクチュアズ社であることや、櫻井孝宏花澤香菜宮野真守梶裕貴といった人気声優が出演していることも共通していました。

弐瓶勉による原作マンガにあった“複雑な階層都市”が見事に表現されていること、絶望的な状況でも必死に正しいを見つけ出そうとする物語が、大きな見どころになっています。『GODZILLA 怪獣惑星』と合わせて観ると、日本CGアニメの技術の高さを、思い知ることができるでしょう。

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(文:ヒナタカ)

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