根深い音楽著作権問題。迷走する「日本音楽著作権協会」ことJASRACを完全に敵とみなす消費者が日々増殖中だという。

JASRACと音楽ユーザーの間には数々の問題が常にありましたが、11月8日に持ち上がった映画館での映画音楽の上映使用料の引き上げ問題が火をつけたようです。これまでの一定額と違い、興行収入の1~2%を徴収する形に改革しようという試みですが、それが実現されると、大規模な大手のシネコンはともかく、単館系で細々と経営している玄人好みの映画館が潰れる可能性が増してきます。一連の報道が影響して、JASRACを完全な『強欲団体』とみなして、ネット上でブチ切れ発言をするユーザーが増えました」(エンタメ誌記者)

 火種は、今年6月に、音楽教室での演奏から使用料を徴収することを決めたJASRACに第一弾の批判が出ていたこともある。

「以前のようにCDが売れない時代とはいえ、何でもかんでも金に換算する方針に『街から音楽を消したいのか?』という声もあるほど。そこで再度吊るし上げられているのが、現在のJASRAC会長が理事時代に『自家用車で聞くために、消費者はもう1枚同じCDを買うのか』という疑問に『当然だと思う』と答えた発言。これがネット上で再炎上中なんです」(前出・エンタメ誌記者)

 かつてはカセットテープ、現在なら自分で編集したCDなど「営利目的以外で楽しむ」のも許さないというのが現会長の持論だといい、確かに、これには逆に法律侵害と怒る消費者がいても不思議ではない。

「何言ってるのかわからない」「著作権は個人使用はOKじゃないんですか?」「安室ちゃんのベストは買ったけどもう1枚買うのは無理です」など、音楽ユーザーなら当然のコメントが並ぶ。

「車内BGM用にCDを作成したり、映画館で流れるサントラを楽しむ人はむしろCDを買っているユーザーが多い。目先のお金にとらわれ、あまり浮世離れした発言をしていると、本当に街から音楽が消えかねません」(音楽系ライター)

 はたして、音楽の未来は明るいのか、暗いのか──。

(飯野さつき

アサ芸プラス