千葉在住ライターが、東京の友人に自慢したい、“ピーナッツだけじゃない”県内のおいしいものを気ままに紹介。房総を拠点にした「食」にまつわるあらゆるものを見つめた、飲んで・食べて・知る千葉の風土&food記です。

年末年始、自宅でも楽しめる「merle」の自家製調味料&フレンチおせち。

千葉県大網白里市)

 前編に引き続き、今回も外房・大網の洋食&フレンレストラン「merle」のお話です。

 実は、2016年8月にレストランとしてオープンする前は、山中学オーナーシェフの実家である精肉店の一角で、フレンチの惣菜店として営業をしていました。そのため、今でも店頭では自家製の調味料やドレッシングソースなどを販売しています(ちなみに名物の「メンチカツ」もテイクアウトが可能)。

 例えば、瓶詰め調味料の一つ、「ピカン」(下写真左端)は“食べるラー油”的に使えるチリオイルクローブや山椒などのスパイス唐辛子と一緒にオイルに漬け込み、アクセントに塩レモンを効かせています。「これからの季節は、鍋物のつけダレとして使うのもオススメ」と、おいしいヒントを教えてもらいました。

 また、同じく瓶詰め調味料の「タプナード」(下写真中央)は、オリーブアンチョビニンニクペースト状にした南フランスソースで、これから旬を迎える焼いた鱈などにつけて食べると秀逸だとか。スティック野菜のディップとしても使えるので、年末のホームパーティーなどで活躍しそうですね。

 そして、毎年9月中旬ごろから受付を開始するオリジナルおせちも外せません! ディナータイムの人気メニュー「豚モツのトマト煮」など、手の込んだフレンチ惣菜がぎっしり詰まった2段重ねは、“ワインやお酒に合うおせち”という素晴らしすぎるコンセプト。毎年販売されているので、興味のある方はぜひ一度お試しを(保存料不使用のため関東地方のみ発送可能)。

 とにかくワインをおいしく楽しく飲ませてくれる「merle」の味付け。自宅でも手軽に味わえるこれらの商品は、これからの季節、特に大活躍しそうです。

店でテイクアウトできる自家製調味料の一例。瓶詰め調味料(各80g入り)やドレッシング(各180g入り)などが揃う。ドレッシングの「トマト」(左端)は和風ベースで、カツオの刺身やカルパッチョなどに◎。その隣の「ハニー」は甘みがあるので、蒸し鶏や魚介のマリネなどにどうぞ。
店でテイクアウトできる自家製調味料の一例。瓶詰め調味料(各80g入り)やドレッシング(各180g入り)などが揃う。ドレッシングの「トマト」(左端)は和風ベースで、カツオの刺身やカルパッチョなどに◎。その隣の「ハニー」は甘みがあるので、蒸し鶏や魚介のマリネなどにどうぞ。
同業のシェフ仲間にもファンが多いという自家製の「粒マスタード」。塩・ビネガー・マスタードシードのみで作るシンプルな味わいで、数日寝かせて甘みを引き出し、味をなじませる。プチプチ弾ける食感がたまらない。こちらも瓶詰め調味料として販売中。
同業のシェフ仲間にもファンが多いという自家製の「粒マスタード」。塩・ビネガー・マスタードシードのみで作るシンプルな味わいで、数日寝かせて甘みを引き出し、味をなじませる。プチプチ弾ける食感がたまらない。こちらも瓶詰め調味料として販売中。
オリジナルのソースは、「大人のミートソース」(左:300g)と「merleのカレー」(右:280g)の2種類。各2人前。冷蔵庫で1週間、冷凍すれば1ヶ月ほど保存できる。たとえ忙しくてもおいしいものを食べたい時に、時短&ご褒美アイテムとしてストックしておくのも良さそう。
オリジナルソースは、「大人のミートソース」(左:300g)と「merleのカレー」(右:280g)の2種類。各2人前。冷蔵庫で1週間、冷凍すれば1ヶ月ほど保存できる。たとえ忙しくてもおいしいものを食べたい時に、時短&ご褒美アイテムとしてストックしておくのも良さそう。
後日、自宅で早速「大人のミートソース」を試食。赤ワインをたっぷり使った贅沢な味わいで、お肉もゴロゴロ、粗く潰したトマトも果肉感と酸味がしっかり生きている。当然、赤ワインに合うお味。パスタソースとしてだけでなく、野菜に載せてローストしたりと、色々アレンジして使えるのが嬉しい。
後日、自宅で早速「大人のミートソース」を試食。赤ワインをたっぷり使った贅沢な味わいで、お肉もゴロゴロ、粗く潰したトマトも果肉感と酸味がしっかり生きている。当然、赤ワインに合うお味。パスタソースとしてだけでなく、野菜に載せてローストしたりと、色々アレンジして使えるのが嬉しい。
「merle」の店舗は、かつてジャズバーだった場所を居抜きで使用。ステージだった場所には、テイクアウト商品などが並ぶショーケースを設置。「スポットライトが当たるのでちょうどいいんです」と微笑む奥様の亜美さん。商品だけを買いに来店するのも可能だ。
「merle」の店舗は、かつてジャズバーだった場所を居抜きで使用。ステージだった場所には、テイクアウト商品などが並ぶショーケースを設置。「スポットライトが当たるのでちょうどいいんです」と微笑む奥様の亜美さん。商品だけを買いに来店するのも可能だ。

11月中旬はジビエ解禁!食いしん坊シェフの挑戦は続く

毎年晩秋に狩猟が解禁になると、自ら長南町(写真)などへ狩りに出発。狩猟の成果によっては、店でジビエ料理が味わえる。(画像提供:merle)
毎年晩秋に狩猟が解禁になると、自ら長南町などへ狩りに出発。狩猟の成果によっては、店でジビエ料理が味わえる。(画像提供:merle)

 自他共に認める食いしん坊の山中シェフ。実は、狩猟免許所持者、つまり猟師でもあるのです。そのため「merle」では、毎年秋冬は、シェフ自ら仕留めた野生鳥獣を店で味わえるというお楽しみが増えます。千葉県2017年度の狩猟解禁期間は、11月15日(水)~翌年2月15日(木)なので、気になる方はぜひお店のSNSで、シェフの狩猟の成果をチェックしてみてください。

 ソムリエ資格に加えて狩猟免許も取得している山中シェフは、県内のイベントへの出店や、自宅で作れるフレンチ料理教室の開催など、おいしいものにまつわる様々な活動をしています。また、おいしい食材探しにも熱心で、同世代のシェフたちとは情報交換を欠かしません。

 修業時代は、同じくソムリエである妻・亜美(つぐみ)さんと二人、都内で店を持つことを考えていたという山中シェフ。しかし、山梨のワインに惹かれて、現地の老舗ワイナリー「ルミエール」に併設されたレストラン「ゼルコバ」に転職。そこで“産地が店の近くにあることの贅沢さ”に改めて気がついたといいます。
「東京にいた時は業者さんから食材を仕入れていましたが、山梨では農家の方から直接食材を分けてもらっていました。それで、地方で店を開くのもいいなって思えたんです」。

 今は、亜美さんと共に懇意の農園に足を運び、いろいろな野菜の話をしたり、そこで教えてもらったレシピを実際に試してみたりと、「料理が閃く瞬間が広がった気がする」と話します。

「千葉は確かに、都内よりも外でお酒を飲む文化が少ないという面はあるかもしれません。でも、食材をはじめ本当にいいものを、いい人から買うことができるんです」とシェフ

「東京みたいに何でも手に入るわけじゃないから、あるもので代用してやらなきゃいけないこともあるけど、意外とその方がハマることもあるんですよ。東京は東京でいいところはたくさんあるけど、千葉には千葉の良さがありますからね」

 しなやかで軽やかな感覚と、研究熱心さを武器に、「これからも地に足をつけてやるだけ」と語る若きシェフ
 JR外房線・永田駅からすぐの小さなレストラン「merle」。引っ越したくなる町が、また一つ増えました。

ジビエ料理の提供期間中は、コースのメインディッシュをジビエに変更することも可能だ。写真は、山中シェフが個人的にも大好きだというコガモのロースト(ジビエ料理は予約制)。(画像提供:merle)
ジビエ料理の提供期間中は、コースメインディッシュをジビエに変更することも可能だ。写真は、山中シェフが個人的にも大好きだというコガモのロースト(ジビエ料理は予約制)。(画像提供:merle)
野菜を仕入れているいすみ市の農園「タロとあき」を会場に、畑の中でフレンチを味わうイベント「Farm to Table」を年2回開催。2017年は6月と11月に実施された。詳細は店のSNSを参照。(画像提供:merle)
野菜を仕入れているいすみ市の農園「タロとあき」を会場に、畑の中でフレンチを味わうイベント「Farm to Table」を年2回開催。2017年は6月と11月に実施された。詳細は店のSNSを参照。(画像提供:merle)
月に1度、毎週第2水曜日に“自宅で作れるフレンチ”がテーマの料理教室も主宰。旬の野菜を使い、山中シェフによる料理2品の実演がある。前菜とデザートのおまけ付き。完全予約制。(画像提供:merle)
月に1度、毎週第2水曜日に“自宅で作れるフレンチ”がテーマの料理教室も主宰。旬の野菜を使い、山中シェフによる料理2品の実演がある。前菜とデザートおまけ付き。完全予約制。(画像提供:merle)

SHOP INFO

店名:merleメルル

住:千葉県大網白里市ながた野1-7-7
TEL:090-6479-2929
営:11:30~14:00(L.O.) 18:0021:00(L.O.) 日・祝12:00~20:30(L.O.)
休:第2・4水曜&木曜
一人あたり予算:ランチ(洋食ランチセット2,000円~、おまかせコース4,000円~)、ディナー3,600円/4,200円/5,000円。
カード:使用不可
駐車場:5台(無料)
※価格はすべて税別表記。

●著者プロフィール

白井いち恵

千葉市育ち&在住の編集者ライター。『千葉の本』『千葉の本2』(京阪神エルマガジン社)を手がけ、出身地・千葉県の知られざるおいしい&楽しいを大特集した。路線バス好きでもあり、著書に『東京バス散歩』(同上)。

オリジナルのフレンチおせちは30台限定(2段重ね・4~5人前・32,000円)。ローストビーフやごぼうの赤ワイン煮と蓮根など、ワインが進みそうなメニュー構成はさすが。「自分たちが開けて嬉しくなるものを詰め込んでいます」と山中シェフ。(画像提供:merle) | 食楽web