あの横綱も!?「力士は禿げたら引退」という噂

大相撲の本場所の取り組みでは、幕下以下の力士は髪をちょんまげ、十両以上の力士は大銀杏に結って土俵に上がることとなっています。髷は力士の象徴と呼ぶべきものだけに「力士は禿げて髷が結えなくなったら、引退しなければならない」と思っている人は、昔から意外にいるようです。

Wikipediaより

実際、昭和から平成にかけて活躍した某元横綱は、横綱になった頃から頭頂部の髪が薄くなっていたため、引退した時には「髪が薄くなりすぎて髷を結えなくなったから引退した」という噂が流れました。
同時期に活躍した有名力士の中にも、「ハゲたから引退したのでは?」と囁かれた力士は数名存在しました。

果たして力士は、本当に髷がなくなったら引退しなくてはならないのでしょうか?

規定はないが、元々そのくらいの年齢で引退する力士が多い

結論から言うと「力士がハゲて髷が結えなくなったら、現役引退しなければならない」という規定はありません。
先述の元横綱にしても、引退は怪我の悪化により相撲を取り続けられなくなったことが原因で、その時期に髪が薄くなったのは偶然でした。

力士の引退年齢には個人差がありますが、早ければ20代後半・遅くても40歳前くらいです。このくらいの年齢になると、力士という身体を酷使する職業であるが故の「体力の衰え」だけでなく、人によっては「髪の毛の衰え」も感じるようになるので、そのタイミングが一致して引退するとまるで「ハゲが原因で引退した」ように見えてしまうことがあるようです。

これはなんとも理不尽な話ですが、実際に髪が減って髷が結えない状態になったからといって「引退勧告」「出場停止」などの処分を受けることは決してありません。

「大銀杏」が結えないと、一部に制約も・・・

しかし、横綱土俵入りの際に横綱の横に控える「露払い・太刀持ち」を務める力士や、「弓取り式」を行う幕下力士は、必ず大銀杏を結わなければなりません。

過去には横綱から直々に「露払い」を依頼された幕内力士が、まだ大銀杏を結えないことを理由に相撲協会から許可されなかった例もありました。

その力士の場合は出世のスピードに髪の伸びが追いつかなかったのですが、仮に髷が結えないほど髪が減ってしまった力士がいたら、必然的に「露払い・太刀持ち」や「弓取り式」は務められないなど一部の制約が出ることになります。

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